あまり噛みしめると・・・

院長のコラム

あまり噛みしめると・・・

サッカーワールドカップ、真っ最中です。寝不足の方も多いのではないでしょうか。
私も気が付くと手に汗を握り、見ると手のひらが真っ赤になっていることもしばしばです。
ですが、力が入っているのは手だけではないかもしれません。
知らず知らずのうちに歯を食いしばっている可能性も高いのです。
この無意識の食いしばり(噛みしめ)、歯にとってはかなり厄介なのです。

ヒトは普段、上下の歯は噛み合っていないのが一般的です。
噛む筋肉や歯を支える歯根膜という靱帯は通常は休んでいて、いざ噛むときに力を発揮するわけです。ところが噛みしめの習慣がある人の筋肉は休むことなく働き、靱帯にも力が加わり続けることになります。筋肉が休むことができないと顎関節症や肩こりの原因となります。また、歯周病の原因は細菌感染ですが、靱帯に力が加わり続けることは歯周病を進行させる因子になります。

夜、寝ているときの噛みしめや歯ぎしりはさらに大きな影響をもたらします。
一般的にものを噛む際、奥歯では自身の体重と同じくらいの力が発揮されます。けれども、夜間、無意識に発揮される力はその数倍にもなると言われています。歯ぎしりにより歯の噛む面は摩耗し、根元のエナメル質は剥離して知覚過敏や虫歯の原因となります。更にひどい場合には、自分で自分の歯を割ってしまうこともあります(歯根破折)

たかが食いしばりといって侮れません。虫歯でもないのに、どの歯と特定できずに痛みがある、入れたばかりのセラミックの詰め物が、固いものも食べたわけでもないのに気が付いたら欠けてしまったなど、そのような問題も引き起こしかねません。

このような悪さをする噛みしめ・食いしばりを防ぐ、もしくは被害を最小限に抑えるための治療法ですが、その原因によって異なります。

  • 夜間の無意識な噛みしめ・歯ぎしりにはマウスピースの装着が効果的です。
  • 昼間の噛みしめの場合、マウスピースを装着していると見た目に悪く、また会話がしづらくなりますので、ご自分で噛みしめないように意識することが大切です。また、長時間、根をつめてパソコンに向かうなど、同じ姿勢を取り続けないことも予防のひとつです。
  • ストレスが原因の場合、ストレスを取り除くことが一番ですが、職場が変わったら歯ぎしりがひどくなったとおっしゃる患者さんもおられるように、現代社会ではある程度のストレスはつきものです。うまくストレスと付き合ってやり過ごしていただくか、難しい場合は、やはりマウスピースの装着が効果的です。
  • 噛み合わせのずれが原因の場合もあります。これは自覚が難しく、ご自分では気がつかない場合がほとんどです。当院では初診時、噛み合わせのチェックをさせて頂くことが多いのですが、4人に1人は、大なり小なり噛み合わせのずれが認められます。これが原因の場合は、噛み合わせの調整をすることにより歯ぎしり・噛みしめの症状が焼失・軽減します。詳しくは「顎関節症・咬合治療」をご覧ください。

サッカーワールドカップに起因する一過性の噛みしめは、もう少し我慢すれば、4年間は治まるでしょう。私も含めて、気を付けましょう。

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