ダメだと諦めていたのに…

先日、歯根破折保存治療にいらした患者さんのお話です。

無事治療が終わり、「抜かずに済んで良かったですね」と会計をしながらお声をかけたのですが、ちょっと鼻をすすっていらしたので、「お風邪ですか?」と、再度、声をかけようとして顔をあげたら患者さんが涙ぐんでおられ、見ていけなかったかしら?どうしたのかしら?痛かったのかしら?と、どきどきして、私は慌ててまた顔を下げました。

そうしたら患者さんが「有り難うございます。ダメって言われると諦めていたのに・・・」とおっしゃったのです。ご自身では諦めていた歯を抜かずに済んだこと、そしてそれまでのいろいろな思いが溢れだしたのでしょうか、涙もろい私は思わずもらい泣きしそうになりましたが、患者さんと一緒に受付が泣いているわけにはいきませんから、お仕事柄、ぐっとこらえました。

意図的再植治療も含め、歯根破折保存治療は、当院ではほぼ毎日行われますので、私達スタッフにとっては日常的に行われる治療のひとつとなって参りました。
ただ、患者さんはそれをご存知無いので、お一人お一人にとっては、本当にご心配・ご不安を抱えて治療にいらっしゃるんだなと、つくづく思いました。
1か月後に固定を外すまで、治療の成功はわかりませんが、とりあえず、抜歯にならず歯を残せたことは患者さんにとっては本当にほっとすることなのだと思います。

手術が成功したら、あとはこの後の1か月間が非常に重要です。
手術を行うのはもちろん院長先生ですが、この先1か月間は患者さんがいかに治療箇所を大事にしてくださるかにかかっていると思います。

治療終了直後には患者さんも疲れていらっしゃると思いますので、ご自宅でゆっくりお読みいただけるように書面にして注意事項はお渡ししますが、受付でも繰り返し注意事項をお伝えしています。
私自身がこの治療を受けているため、経験者としてお話できることもあるため、少しは参考になるかしら?と思っているのですが、患者さんのなかにはきっと「この受付のオバサン、ちょっとシツコイ・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、「転ばぬ先の杖」ということわざもありますものネ。

今日も午後から破折治療が2症例あります。
患者さんに1か月後に笑顔でお会いできるように、今日も菊地は術後の注意を(あまりしつこくない程度)に説明させて頂く所存であります。

吉田デンタルクリニック
受付 菊地

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