開院15周年を迎えて - 好きな仕事が続けられる幸せ -

院長のコラム

開院15周年を迎えて - 好きな仕事が続けられる幸せ -

当院はこの4月で開院15周年を迎えました。
開業以前は長く大学におりましたので、歯科の専門分野しか知らない世間知らずが、いきなり東京のど真ん中に開業し、周囲からは、“1年もたないだろう”と思われていたようですので、このようなご報告ができるのも、私を信頼してくださる患者さんと、周りで支えてくださる多くの方々のお蔭と有難く思っております。

この15年の間に、私の専門分野であるインプラント治療を取り巻く環境の変化、当院の位置する中央区京橋という地域の変化(現在、再開発の真っ只中です)、コンビニより多い歯科医院と言われ、歯科医師過剰が叫ばれる歯科界全体の大きな変化など、様々な変化がありました。

特にインプラント治療を取り巻く環境は激変したように思います。

開院15周年を迎えて私とインプラントの出会いは30年ほど前に遡ります。大学の講座の先輩である小宮山先生との運命的な出会いが始まりでした。ブローネマルク教授が開発したインプラントを小宮山先生がスウェーデンから持ち帰り、義歯とは比較にならない高いレベルの治療法が発見されたこと、そしてこの画期的な治療法を日本に初導入できることに、当時の東京歯科大学インプラントチームは皆、純粋に歯科医師としての誇り・やりがい・喜びを感じていました。この治療法を取り入れたら大学病院の収入が上がるといったような計算などありませんでした。

それがいつの間にか、自由診療であるインプラントを医院の収入の柱にすべく、とにかくインプラントに誘導するような風潮が生まれ、当然の結果としてトラブルが急増し、適切に行われたならば、非常に有効であるはずのインプラント治療に負のイメージがつきまとってしまったことは、本当に残念でなりません。

ブローネマルク教授もおっしゃっておられますが、インプラント患者さんと歯科医師は一生のお付き合いになります。私の歯科医師生命か、患者さんの生命がどちらかが終わるときまでのお付き合いということです。私の患者さんも大学勤務時代からの方は25年以上のお付き合いの方が増えてきました。定期的に検診でお会いするので、もう家族か親戚のような感覚です。私と同様に患者さんもお歳を召され、高齢化社会の中でこれからのインプラント治療がどうあるべきか、インプラントに限らず、個々の患者さんにとってどの治療法がベストの選択なのか、常に問い続けていかねばならない、それが歯科医師としての私の使命だと考えています。

最近、アップル社の創業者である故スティーブ・ジョブズ氏の伝記を読み終えました。常軌を逸した行動も多く、敵が多かったのも肯けますが、彼が揺るぎない信念をもって好きな仕事に邁進した点には深く敬意を表します。

ふと自分の身に置き換えてみると、私も歯科医師の仕事が好きなのだな、とつくづく感じます。患者さんに噛める歯が入り、噛む喜びを取り戻した患者さんの笑顔を拝見すると、大学卒業後30年間、自分の好きな仕事が続けられる私は本当に幸せ者だと感じます。これからも私の診療の理念である”基本に忠実に“を守りつつ、自分の選んだ道を信じ、患者さんやスタッフと共に歩んで行きたいと思っております。

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