自分の家族にインプラント治療を行いますか?

院長のコラム

自分の家族にインプラント治療を行いますか?

もう随分と前の話ですが、今ほどインプラント治療が普及していなかった頃、インプラントに否定的な考えを持つ歯科医師から、 ”患者が自分の家族だったら、その歯科医師はインプラント治療を行わないだろう。“ というような主旨の書籍が新聞広告に載っていました。
その頃、私はすでに私の母に上下、合計20本のインプラント治療を行っておりましたので、その書籍広告を見て、 ”私はするよ、いや、もうしたよ。“ と思っていたものです。

インプラントに否定的な歯科医師は、 “インプラントのようなリスクが高い治療を自分の家族には出来るわけがない”、 と考えておられたのでしょう。私の考えは、必要な検査を行い、その検査結果に問題が無く、安全に手術を行える条件が整えば、(家族であろうとなかろうと)、患者さんが望めば治療を行います。
あくまでも “条件が整えば” です。患者さんが希望されても、無理な手術は行いません。お手頃価格のインプラントの登場で、インプラントが身近に感じられるようになりましたが、実際のインプラントの手術は、患者さんがお考えになるほど容易ではないからです。

最近、インプラント治療を希望されて来院される患者さんが、以前にも増して医院選びに慎重になられているように思います。何でも噛めるようになり、生活の質を向上させる治療ですが、現実に多くの健康被害報告が寄せられており、患者さんが慎重になられるのは当然です。
むしろ、安易にインプラント治療を受けて、トラブルに巻き込まれて後悔するより良い傾向だと考えています。いや、冷静に考えてみれば、歯科に限らず、外科治療に受けるのに病院選びに慎重になるのは至極、当たり前ではありませんか。

当院ではホームページ以外には広告などをしておりませんので、インプラント治療に関して、世間への露出度 (笑) はあまり高くないと思います。ですので、インプラントを希望される初診の患者さんには当院を知ったきっかけを伺うのですが、日本口腔インプラント学会の専門医・指導医のリストから検索された方が複数いらしたことには驚かされました。その頃は、学会の名簿には所属する都道府県と氏名しか記載されていませんので、その先生のポジション、例えば歯科大学の教授なのか、勤務医なのか、開業医なのか、わからないのです。そのなかから当院を探してくださったのには、かなりのお時間を費やされたのではないかと思います。

レントゲン写真

写真は私の母のレントゲン写真です。上は全てインプラント、下は奥歯のみで、上下ともに装着10年を越え、今では年に2回の定期検診だけです。

今年は近代インプラント治療の祖であるブローネマルク教授がインプラント治療を開始されてから50周年になります。また、1983年にブローネマルク教授が初めて来日されて、母校の東京歯科大学で執刀されてから30年になります。その当時は現在のようにトラブルが多くなるなど考えもしませんでした。このままでは私たちがこれまで築き上げてきたインプラントという優れた治療方法に対する評価が崩れかねません。

何とか原点に立ち戻り、インプラント指導医として後進の指導に努め、確実な治療成績を残していきたいと考えています。

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