そこはかとない緊張感

院長のコラム

そこはかとない緊張感

さて、今回は歯科の世界を離れ、ベルギーのお話をさせて頂きます。
なぜベルギーかというと、ベルギーは私が吉田デンタルクリニックを開業する以前の大学在職中、短期間ですが留学をしていた思い入れのある国なのです、
1994年のことですから、もう22年も前のことになります。

本年2016年はベルギーと日本の友好150周年の記念の年であり、そのためか、比較的ヨーロッパの中ではマイナーな(?)存在であるベルギーを特集した番組が多いようで、今年に入って既に3回も放映がありました。そのなかで印象に残った言葉があります。

「そこはかとない緊張感」

ベルギーに「そこはかとない緊張感」が漂うのは、この国がかなり複雑な環境にあるからです。
面積は日本の四国の1.5倍ほどですが、1993年の憲法改正で連邦制に移行し、ブリュッセル首都圏地域、フランドル地域(北側半分)、ワロン地域(南側半分)の3つの地域と、フラマン語(オランダ語)共同体、フランス語共同体、ドイツ語共同体の計6つの組織で構成されています。日本人からみるとチョコレートとワッフルと小便小僧で有名な美食の国でありますが、内情はなかなか大変です。

私が見た番組の一つでは、同じベルギー人でありながら、集まって会話をする際、それぞれが相手の語学力を考えながら適切な言語を選んで会話するという場面がありました。また、フランドル地域とワロン地域には経済的な格差もあり、イギリスのスコットランドやスペインのカタルーニャ同様、独立運動の動きもあります。その際、「そこはかとない緊張感」という言葉が出てきたのでした。

私の留学先は首都ブリュッセルから車で30分ほど、オランダ語圏のルーヴェンという町でした。
世界中から学生が集まっていたので、公用語は必然的に英語でしたし、大学町でしたので治安も良く、その頃は能天気に暮らしていたものでしたが、昨年のパリでのテロ事件の主犯がベルギーで生まれ育ったベルギー人であることにはとてもショックを受けました。ただ、ベルギーがあのように言語・民族・人種が複雑に入り混じった国であることを鑑みると、客観的に見ればさほど不思議ではないのかもしれません。

今年は2年に一度、市の中心部にあるグランプラスという広場で開催されるフラワーカーペットの年に当たります。ベゴニアの生花を巨大な花のじゅうたんとして敷き詰めるこのイベント、毎回のテーマがあるのですが、今年は「日本」だそうです。

ベルギーブリュッセル・グランプラスのフラワーカーペット

写真は私の滞在時のフラワーカーペットの様子です。
これからもベルギーが「そこはかとない緊張感」を保ちながら、同時に平和な国であってほしいと願っています。そして今年のフラワーカーペットが、無事に開催されることを祈ります。

あまりに毛色の違った院長コラムになってしまったので、ここで強引に歯科治療に結び付けようと思うのですが、「そこはかとない緊張感」は、治療を行う上で、患者さんにもあったほうが良いと思います。

「全て先生にお任せします。」という患者さんがたまにおられます。
歯科医師を信頼してくださってのお言葉と思い、有難いのですが、それでもご自身の身体にかかわる問題なので、ある程度、治療に積極的にかかわり、ご希望やご心配なことはおっしゃっていただいたほうが、より治療の成功につながると思います。

もちろん、私は「そこはかとない緊張感」ではなく、「120%の緊張感」をもって治療に当たります。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

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