インプラント治療がもたらすもの

インプラント治療がもたらすもの

本日インプラント治療が終わられた患者さんのお話です。
その患者さんは、長く下の総義歯をお使いだったのですが、その間、徐々に骨が減ってしまい、何度、義歯を作り直しても安定せず、主治医の先生もお手上げ状態となり、なんとかインプラントで治療できないかと当院にご紹介で来院された方です。

インプラント治療がもたらすもの

CT撮影の結果、骨の量がかなり少なかったため、通常の固定性のブリッジや“All-on-4”など、すぐに仮歯を入れる方法の適応症例ではありませんでした。そこで何とか骨のある個所を選び、その部分に特殊なサイズの2本のインプラントを埋入し、固定性の義歯を装着する治療法を選択しました。
考えうる治療法のなかから最適と思われる治療法を選択すること、ちょっと不謹慎に聞こえるかもしれませんが、これまでの経験や知識をもとに新たな発想で難症例に向かっていく専門医の醍醐味でもあります。すぐに仮歯を入れていく治療方法に比べ、治療期間が長くなりますので通院回数の面では患者さんにご足労をおかけすることになりましたが、歯で長いこと苦労されていた患者さんが、これ以上、歯の治療のやり直しをしなくて済むように、確実な治療結果を優先したかったのです。

4ヶ月の治療期間と7回の通院により、1週間前にインプラント固定の義歯が入りました。少しお使いいただいてから不具合の箇所があれば調整をしましょうということで本日お越しいただいたのですが、本当に具合が良いようで、調整の必要もなく、患者さんご本人も驚いていらっしゃるようでした。
患者さんのコメントによれば、「今までの入れ歯では、口の中に石ころが入っているようでどうしても違和感が取れなかったが、今回は自分の歯より噛めるようだ。」ということなのです。

インプラント治療が終わるたびに、患者さんから沢山のコメントを頂戴するのですが、やはり総義歯が合わずにお悩みになられて、インプラントになさる方が劇的に変化を感じ、お喜びも大きいようです。
今回の患者さんは遠方からの通院であったため、毎回の通院にご主人が付き添っていらっしゃいましたが、奥様が治療結果に満足してくださったことに、ご主人も非常に喜んでくださったことが特に印象に残りました。ご主人は長い間、奥様が辛い思いをされているのを間近でご覧になっていたので、奥様が嬉しそうにされていることが、本当にご自身のことのように喜んでくださったのです。

歯科医師としての私のこれからの務めは、このご夫婦がもう歯のことで悩まないよう、インプラントを長くお使い頂けるように努力していくことです。インプラント治療は、よく噛めるという歯本来の機能を取り戻すのみでなく、ご本人の精神面での安心感とともに、ご家族の喜びももたらすことができるということを再確認できた貴重な一日でした。

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