高齢者のインプラント治療について

前回2回のコラム、「高齢者のインプラントケアについて」「高齢者にも優しいインプラントシステム」では、ブローネマルクシステムをはじめ、上部構造を外せるタイプのインプラントシステムであれば、私見ですが高齢者にも優しいインプラントシステムではないか?ということをお話させて頂きました。

ただし、これは既にインプラントが入っている方のメンテナンスを考えた場合です。
高齢になってから、新たにインプラント治療を検討するということは、また別問題になります。

なぜなら、ご高齢の方がインプラント治療を受けられる場合、いくつかのクリアすべき問題点が出てくるからです。
第一は、ブローネマルクシステムに限らず、インプラント治療は外科手術を伴う点です。
ご本人が治療を希望されても、糖尿病などの全身疾患や、女性の場合、骨粗しょう症など、服用されている薬の問題でインプラント手術ができない場合があります。

これまでに当院でインプラント手術を受けられた最高齢の方は84歳の男性でしたが、この方は幸いなことに、全身疾患の問題がありませんでした。
年齢が上がるにつれ、いわゆる生活習慣病等の疾患などで様々な薬を服用されている方が多く見られます。私も患者さんのかかりつけの内科医や整形外科医などと連携を図り、検討の結果、患者さんの安全を考え、インプラント手術を見送ったことがあります。

次にインプラント治療に取り組む患者さんの体力の問題です。
インプラントは外科処置を伴う上に通院回数も多くなりますので、ある程度の体力が必要となります。
当院で既にインプラント治療を受けられている患者さんでも、インプラント以外のご自身の歯が残念ながら抜歯となり、その治療をどうするかお考えいただく際、「インプラントは良く噛めるのですが、手術を考えると体力的に心配・・。」とおっしゃる方がおられます。

患者さんによっては、将来的にご自身の体力が衰え、手術が受けられなくなる状況も考えて、早めにインプラント治療に踏み切る方もおられます。高齢になってからのケアに問題がないことが分かっているならば、これもひとつの考え方かもしれません。

もし漠然とインプラント治療を検討されているが、踏ん切りがつかず、先送りになさっている方がおられるようでしたら、時間の経過とともに思わぬ全身疾患に罹患することにより、外科処置が困難になってしまうことも想定されます。

「こんなことだったら早く治療を受けておけばよかった・・・」と後悔されることの無いようにと考え、今回のコラムを書かせて頂いた次第です。

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