エルメスとインプラントに共通するもの

今年も残すところあと1日となりました。
診療は27日で終了しているのですが、診療が終わってやっとコラムを書く時間ができました。
大した文章ではないのですが、今年最後の私のコラムにお付き合いください。

少し前のことになりますが、私が所属するClub22 というインプラントに関する勉強会が開催する12月の特別講演の講師として齋藤峰明氏をお招きしました。

齋藤氏はエルメス本社の副社長を務められた方で、現在はシーナリーインターナショナルの代表に就任されていらっしゃいます。氏は高校卒業後、渡仏しソルボンヌ大学を卒業、三越、エルメスと勤務された経歴の持ち主です。

今回の講演では氏の高校時代から渡仏後、三越勤務時代、エルメス勤務時代の事、またエルメスの理念や他の有名ブランドとの違いについて2時間30分をかけてお話しいただきました。

エルメスは1837年にパリで馬具工房としてスタートしましたが、自動車時代の到来を予見し、カバン等の皮革製品の製作へと軸足を移して成功したとのことでした。その製品作りにかける精神はインプラント治療にも通ずるものがあり、会員一同、大変勉強になりました。

例えば、カバンの革を縫い合わせている糸が1本切れても裏側からも同様に縫ってあるため、糸がほつれてカバンの革がめくれたり、剥がれたりすることは無いのだそうです。ですから、すぐに修理しなくとも、旅行中あるいは外出中に実用上、問題が生じないわけです。

インプラント治療でも同様です。普段は問題がなく、気づくことがなくとも、そういった配慮が為されているインプラント治療であれば、何かトラブルが生じても、大きな問題を起こすことなく、長期間、対処していく事が可能です。

私も治療にあたり、「痛くない」、「早い」といった患者さんわかりやすい処置だけでなく、目立たなくとも、常日頃心がけている確実な処置がやはり大切なのだと再認識させられました。患者さんには「何でこんなに時間がかかるの?」とお叱りを受けることもありますが、(歯科職人としては)ここは譲れないところです。

年末に思いがけず、良いお話を伺うことができました。

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