大きな柱を失いました。

院長の吉田です。
大変悲しいお知らせがあります。
既に公にされているため、私からお伝えすることに支障はないと思われますが、歯根破折保存治療の開発者である眞坂信夫先生が先月初旬、逝去されました。
以前から体調が思わしくないことは伺っておりましたが、7月の定例のWEB会議ではお元気に発言されておられたため、突然の訃報に絶句しました。

以前のコラムでも紹介させて頂きましたが、眞坂先生は私の歯科医師人生における4人の師のうちの1人です。
4人の師のうち、関根弘先生には歯科治療・研究への姿勢とその取り組み方を、小宮山彌太郎先生には欠損補綴の切り札であるインプラント療法とそれに取り組む歯科医師の姿勢を、アメリカのテル・ハラダ先生には、歯の最も大切な機能である噛み合わせの基本と開業医のあるべき姿を教わりました。

最後の眞坂信夫先生には、通常なら抜歯適用となる破折歯を抜かずに残す技術とその価値を教えて頂きました。歯根破折は虫歯、歯周病に次ぐ3番目の抜歯理由ですが、眞坂先生はこれを抜かずに残す方法を開発し、治療法の普及のため講習会等を開き、他の歯科医師に惜しみなく伝達してこられました。

歯科医師向けのみならず、一般の患者さんにも本療法を伝える努力をされて、PDM21(Professional Dental Management 21th Century)という組織を作り、前述のWEB会議も、この治療法を導入している歯科医師が、月に一度、症例報告等を行い、会員の知識の共有・レベルアップに大きな役割を果たしてこられました。

一度は抜歯を宣告された患者さんにとって、本療法と出会い、抜かずに歯を残すことが出来た喜びは大きく、口々に私に感謝の言葉をおっしゃるのですが、これは私ではなく、本療法をご指導頂いた眞坂先生への感謝に他なりません。

大きな柱を失った歯根破折歯保存治療ですが、眞坂先生のご冥福をお祈りするとともに、先生の御遺志を受け継ぎ、直弟子である私たちが本療法を継続し、割れた歯は、はじめから抜歯→インプラントと決めつけず、残せる歯は残せるような治療を(思えば当たり前の話ですが・・・)広めていかねばと思っております。

合掌

吉田デンタルクリニック
院長 吉田 浩一

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