歯根破折保存治療の経過(成功率)について

歯の根が割れたり、ヒビが入ったりという破折歯をなんとか抜かずに残すため、破折歯の再植保存治療を始めて4年が経ちました。

この間、歯根破折保存治療を希望して来院された患者さんは300名超。
そのうち、実際にこの治療を受けられた方は100名を超えました。

皆さまが一番気になるところは成功率だと思います。
私は5年以上の保存を目標としており、まだ最長4年しか経っておりませんが、以下、経過報告です。

破折保存治療症例数  103症例
そのうち治療がうまく行かなかったケースが14症例あります。
詳細は以下の通りです。

1 再植不可能 1症例
再植治療中に抜歯となったケースです。この方は非常に歯質が脆く、処置中に歯牙がバラバラになり、もとの歯の形に戻して再植することができませんでした。結果として抜歯になりましたので、当院でブリッジ治療を行いました。

2 固定除去同日脱落 1症例
再植治療を行い、1か月後に固定を除去しましたが、同日に歯牙が抜け落ちたものです。
このケースでは、ご本人が記憶にないほどの長期間、歯根破折の状況が続いていたようです。そのため、再植時に歯根膜が殆ど残っておらず、歯槽骨に歯根が生着しなかったと考えられます。

3 治療後に抜歯となった症例数 12症例
固定除去までは問題は無かったものの、その後の経過が思わしくなく、4年間の間に抜歯となったケースです。
原因としては
再破折 7症例(同じ歯の他の箇所が割れてしまったものも含みます)
動揺 5症例(再植は成功したが、歯の揺れが大きく、実用にならなかったもの)

結論として、4年経過後の治療実績としては、再植した102症例中88症例が現状での成功となり、成功率としては、概ね87%ということになります。

この数字が高いか・低いかは、患者さんご自身の判断に委ねます。
私のこれからの課題としては、3の段階(治療後に抜歯となった症数)をいかに少なくするか?です。

まだ発展途上の治療法ですが、現段階での報告が、多少なりとも歯根破折保存治療を検討されている皆様の参考になれば幸いです。

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