「起きていることは全て正しい」のか? 原爆ドームを訪れて思ったこと

「起きていることは全て正しい」のか? 原爆ドームを訪れて思ったこと

今回の東日本大震災で被災された皆さまへ、心よりお悔やみとお見舞い申し上げます。
そして、今この瞬間にも見えない放射線と闘い、国民のために頑張ってくださっている福島第一原発で働く方々に、心からの感謝を申し上げたいと存じます。

原爆ドーム

先月、日本補綴歯科学会が広島で開催されました。どうしても聞きたい講演があったので、やむを得ず休診とさせていただき、参加して参りました。学会場が原爆ドームの近くだったため、講演の合間にドームを訪れた際、ふと思ったことがあります。

日本は60年以上前に原子力爆弾で多くの尊い命を一瞬で失いました。原爆ドームは、原子力の戦争利用への戒めとなるべく、今日までその無残な姿のままで保存されて参りました。その一方、私たちは、気持ちの上での抵抗はあるものの、いつの間にか原子力を発電に利用するようになりました。平和利用だったはずの原発は、“想定外”の天災で破壊され、日本は再度、原子力の脅威にさらされることとなりました。なんと皮肉なことでしょう。

勝間和代氏のベストセラーに「起きていることは全て正しい」という本があります。
「正しい」の表現に多少の違和感はあるのですが「起きていることには何か必ず意味があり、起こったことは全て目の前の事実であり、肯定するしかないから、それを前向きに受け止めよう」という解釈が正しいのなら、勝間氏に全く同感です。

原爆投下についての意味があるとすれば、アメリカにとっては、戦争を終結させた立役者であるということでしょう。この理論は日本人には受け入れがたい解釈ですが、敗戦の結果として、どん底の日本は戦前とは比較にならないほどの驚異的な復興をとげ、欧米諸国から一目置かれる先進国入りを果たしました。

これから日本はどのように復興していくのでしょうか。そして、尊い犠牲を払ったあの震災があったからこそ、もっと強い日本になった、と思える日が来るのでしょうか。
原爆投下時と違い、今回は私も歴史を創っていくなかのひとり、日本国政府のリーダーシップの欠如を嘆いても全く前向きになれないので、自分にできることを地道に実行し続けていくつもりです。

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