従来の日本の歯科医療は、痛みや腫れなどの症状が出たら、その部分の病気だけを治療するというものでした。風邪をひいて内科にかかるのと同じです。ただ、違うのは、風邪は病院に行かなくとも、安静にしていれば時間の経過とともに完全に治癒しますが、残念ながら、虫歯や歯周病は、一度かかってしまったら、ごく初期の虫歯を除き、自然に治ることは望めません。 また、一度削ってしまった歯は、決して再生することはなく、削った歯面と修復物の間に二次虫歯ができてしまう可能性もあり、健康な歯はどんどん減ってしまいます。 予防歯科とは、一生、ご自分の歯で噛んでいただくために、痛みなどの自覚症状がなくても、定期的にプロによるチェックとクリーニングを受けることにより、虫歯や歯周病を予防し、病気が見つかった場合でも最小限の治療ですむように、という考え方に基づく歯科処置です。
また、すでに歯周病に罹ってしまっている方にお伝えしたいことは、歯周病は、治療に時間はかかりますが、必ず進行を止められ、医学的に安定する病気だということです。 左の写真は、私が大学病院勤務時代に、21年間担当させていただいた患者さんのレン トゲン写真の比較です。上が1985年、下が2006年撮影のものです。重度の歯周病で来院されたのですが、歯科医師の適切な判断と、歯科衛生士の過不足無いプラークコントロールによって、歯周病の進行を防ぐことができ、20年以上、1本の歯も失わず、逆に歯を支える骨が安定し、状況が改善してまいりました。食べ歩きがご趣味の患者さんにも、この20年、生活をエンジョイしていただくことができました。 歯周病は自覚症状がないまま進行するためご自身では見つけにくく、気付いた時にはかなり進行している場合が多いので、虫歯より深刻な病気と言えます。 治療は、定期的なクリーニングや生活環境に合わせたホームケアプログラムのご提案により再発を防止することに重点を置いています。ご自身では清掃できない、歯ぐきから下の部分は、信頼のおける器具を使い、私が1本1本、丁寧に細菌を除去してまいります。知識・技術・経験を要求される根気の要る治療ではありますが、頑張って通院して下さり、症状が改善した患者さんの笑顔に、私自身が励まされます。 歯周病治療は患者さんと歯科衛生士が二人三脚で進める治療ですので、皆様から信頼されるパートナーであり続けるため、安心して通院していただけるようなシステム作りを日々考えております。
島田昌子 日本歯周病学会認定歯科衛生士 日本歯科大学付属歯科専門学校歯科衛生士科卒 日本歯科大学付属病院に21年間勤務 大学病院勤務中10年間に渡り年2回、スウェーデン、イエテボリ大学歯周病科での 研修を受ける 2006年4月フリーランスとして独立 現在は台東区口腔ケア検証事業チームに所属するかたわら、 歯科関連の著作活動や、セミナー講師も務める 2007年7月より当クリニックに月・水に非常勤勤務