歯周病と認知症

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
前回は歯周病についてお話させていただきました。歯周病はお口の中だけでなく、様々な全身疾患にも影響を与えています。
今回は、最近テレビや新聞でも話題となっている、歯周病と認知症の一種である、アルツハイマー病の関係についてお話させていただきます。

アルツハイマー病は、脳が萎縮していく病気で、現在のところ、予防薬や根本的な治療法などは無いと言われています。症状は、記憶障害や判断力の低下から始まり、最終的には寝たきりになる場合もあります。アルツハイマー病は、認知症の60〜70%を占めると言われていて、大部分は65歳以上で発病します。
脳の萎縮は、アミロイドβなどの異常なたんぱく質が脳に蓄積される事が原因で起こります。

さて、歯周病との関係ですが、以前より歯周病は、アルツハイマー病を悪化させると言われていたものの、詳しい仕組みは明らかにされていませんでした。
しかし昨年、ついに、九州大学らの研究により、歯周病菌がアルツハイマー病の原因となるアミロイドβを増やし、脳に蓄積させるという仕組みが明らかになったのです。

歯周病菌は歯肉から血管内に侵入して、全身に運ばれるのですが、歯周病の主な原因菌の一つである、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)は、カテプシンBという酵素を増やします。このカテプシンB酵素は、体の中ではアミロイドβを作り、脳の中ではアミロイドβの受け皿となる受容体を増やしてしまいます。その結果、脳内にアミロイドβが蓄積されてしまうのです。

先ほどお伝えした様に、脳内にアミロイドβが蓄積されると、アルツハイマー病を引き起こしますので、歯周病の治療や予防をする事で、認知症にかかるリスクを減らす事ができるのです。
今日から歯磨きが少し丁寧になるといいですね!

吉田デンタルクリニック
歯科衛生士 児嶋

私のお雛様2021

今週前半は春の暖かさでしたが、また真冬の寒さが戻りましたね。
私は昨日の祝日、我が家にお雛様を飾りました。

1年前にも飾ったはずなのに、お人形の位置や持たせる細かい道具等があやふやになり、昨年、撮ったスマホ内の写真を見ながらなんとか無事、飾りました。
私のお雛様は木目込み人形でガラスケースに入っているため、私と同い年ですが、羨ましいことにあまり傷むことなく、愛らしい姿を保ってくれています。

そういえば今、世田谷の静嘉堂文庫美術館で岩崎家のお雛様の展示をしています。
2年前に展示された際に行ったのですが、贅を尽くした見事なお雛様です。

今回はお雛様と一緒にあの 曜変天目茶碗も展示されているようです。
静嘉堂文庫は広大な敷地の中にあり、お庭も広く、特に混雑もしておらず、空気も良さそうです。
コロナ渦中ではありますが、滅多に展示されない国宝のお茶碗ですので、ご興味がある方はお見逃しなく。

吉田デンタルクリニック
受付 菊地

デンタルフロス VS 糸ようじ

先日、セラミックの被せ物の治療後の患者さんに歯科衛生士さんがブラッシング指導を行っている際、デンタルフロスの説明をしているのが耳に入ったので、会計時、「デンタルフロスはお持ちですか?」と伺ったところ、「糸ようじを使っています。デンタルフロスは指に巻いたりして、なんだかもったいないような気がして・・・」とのこと。ナルホド・・・ん???

患者さんは“デンタルフロスは割高”と思っていらっしゃったようなのですが、何となく腑に落ちなかった菊地は、本当にそうなのかしら?と、ちょっと調べてみました。

ネット情報ですが、糸ようじは60本入りで最安値,税込440円、1本当たり約7.3円。
ルシェロのデンタルフロスは、大きいサイズ200メートルが当院では税込1,440円、1回50センチ使用したとして400回分で1回分は3.6円、なんとコストは糸ようじの半分以下です!
ルシェロフロスの携帯用は30メートル入りで330円。200メートル入りに較べると割高ですが、それでも1回5.5円ですので、こちらも糸ようじよりは割安です。
つまりコストパフォーマンスから言えば、患者さんの認識に反し、デンタルフロスに大きく軍配が上がります。

ここから先は衛生士さん情報ですが、デンタルフロスは指を自由に動かせるため歯に沿って動かすことができ、操作性に優れています。(フロスの詳しい使い方については歯科衛生士便りをご覧ください。)
また、デンタルフロスは使用する位置をずらし、常に新しいフロスで歯間を清掃することができますが、糸ようじの場合、せいぜい2センチくらいでしょうか、その長さで全ての歯を掃除するわけですから、取れた歯の汚れが次の歯に付着しそうです。
それに歯間がきつい箇所だと上から入れた糸ようじのフロスが勢い余って歯茎にガツンと行きそうです。(以前、私は試しに糸ようじを使った際、これで痛い思いをしました。)

1回数円の違いというコスト面はともかくも、折角、時間と費用をかけて治療した歯なのですから、できるだけやり直しをせず、長く使って頂きたいと思います。
毎日、歯科衛生士さんに歯のクリーニングしてもらえるならそれに越したことはないですが、それは残念ながら現実的ではないので、ご自身でのホームケアの頑張りが非常に大切になってきます。

なんだかルシェロのフロスの押し売りのようになってしまいましたが、私も長年愛用していてとても質の良いフロスなので、是非、皆さんにも使って頂きたいです。

当院では歯ブラシ等の窓口販売品は出来るだけ価格を抑え、良いものを手軽に使って頂きたいと考えており、デンタルフロスにご興味のある方は、歯科衛生士さんから使用方法を指導させて頂きます。
まずは携帯用の30メートル入りでお試しになりませんか?丸くて可愛いですヨ!(写真はピンク色ですが、グリーンもあります。)

吉田デンタルクリニック 
受付 菊地

東京オリンピック 迷走中・・・

今日は土曜診療日であります。
今年は暖かい2月ですね。今日は3月並みの暖かさだそうです。

毎年2月にはペイネの雪の絵を待合室に掛けています。
雪が降りしきる中、恋人同士がベンチに寄り添って座っているほのぼのとした絵なのですが、今年の東京地方、こんな雪景色は見られそうに無さそうですね。

医療機関はいずこも同様だと思いますが、土曜日の診療は平日、お仕事でいらっしゃれない方が集中するため、平日より混み合います。
定期検診も3カ月後、6か月後と次回のご予約を取って帰れられる方が多いのて、通常は半年先まで土曜診療の予定が立っているのですが、今年はオリンピックがあるんだか無いんだか、ある場合は無観客なのか、国内の観客のみなのか、それとも海外からも観客が来るのか、それによって、京橋近辺の人出も大きく変わってくるため、7月・8月の土曜診療の予定が立てられずに困っています。

診療日が決っていなくても、とりあえず決めておきたいという方には、仮でご予約頂いても大丈夫です。月3回土曜診療を行っているので大抵は当たりますが、残念ながら4分の1の確率で外れてしまった場合、診療日が確定次第、こちらから連絡させて頂きます。

それにしても迷走中の東京オリンピック、予定通り開催されればあと5か月とちょっとですが、一体、どうなるんでしょう。実は私も水泳とバスケットの試合が当選しているのですが、今となってはワクワク感、全く無です。
いずれにしても、本当に早く決まってほしいですね!

吉田デンタルクリニック
受付 菊地

「また一本、歯が無くなってしまいました・・・」

先日、インプラントの定期検診にお越しになった患者さんのお話です。
この方は7年程前、当院でインプラント治療を受けられ、その後、6か月毎に検診にお越し頂いているのですが、インプラント以外の治療は紹介元の地元の歯科医院さんでなさっておられます。

この方が受付で私の顔を見るや否や、「また一本、歯が無くなってしまいました・・・」と仰いました。
えっ?前回の検診から半年しか経っていないのに何が起こったのですか?と伺ったところ、かかりつけ医から歯の根が折れて抜歯しかないと言われ、そのまま抜いてしまったとのこと・・・

ここで菊地は絶句し、「あ・・・一言ご相談頂けたら・・・ 当院ではそのような歯を抜かずに残す治療を行っているんですよ・・・」とお伝えしたものの、もう後の祭りです。

患者さんは当院でそのような治療を行っていることはご存知無く、もちろん抜きたくは無かったけれど、かかりつけ医から言われるままに抜いてしまったとのことでした。

帰り際にその患者さんが「その治療(歯根破折保存治療)を希望する方はどのようにしてこちらにいらっしゃるんですか?」と質問されたので、「皆さんインターネットで検索してお越しになります。」とお伝えしたところ、
「やっぱり自分でちゃんと調べなきゃダメですね・・・」と仰ってお帰りになりました。

きっとガッカリされておられると思うので、抜歯しなくても済む治療法があることをお伝えしないほうが良かったかな・・・と、その患者さんを見送りながら菊地はちょっと後悔しました。

ただ、院長先生のコラムにもあるように、複数の歯が破折を起こす方もおられるため、この患者さんが万一、他の歯に破折を起こした場合、このような治療法があることが頭の片隅にあれば、今度は抜かずに済むかもしれません。

信頼できるかかりつけ医がいることは良いことですが、歯科に限らず、世の中にはいろいろな治療法があると思います。自分の体ですから、もしかかりつけ医のアドバイスに納得できない場合、インターネットという有難いツールがあるので、自分で調べることも大切かもしれませんね。

吉田デンタルクリニック
受付 菊地

院長のコラム「歯根破折の予防について考える」を更新致しました。

日々の臨床に於いて、歯根破折の治療がその多くを占めるようになって参りました。
また、残念ながら、複数の歯に破折を起こす方もいらっしゃいます。
そこで今回は歯根破折の予防について考えてみたいと思います。

詳しくはこちらからどうぞ

歯根破折の予防について考える

日々の臨床に於いて、歯根破折の治療がその多くを占めるようになって参りました。
また、残念ながら、複数の歯に破折を起こす方もいらっしゃいます。そこで今回は歯根破折の予防について考えてみたいと思います。

歯根破折の原因には以下の2つの要因があります。
① 力を受ける「歯」の問題
② 歯に加わる「力」の問題

まずは一番目の「歯」の要因から見ていきましょう。
最も有効な対策は、できるだけ歯の神経を取らないということです。
失活歯 (神経を取り除いてある歯) は、生活歯 (神経が残っている歯) に較べ、圧倒的に破折するリスクが高くなります。やむを得ず、神経を取ってしまった場合、歯の一部の詰め物より、歯面全体を被せるクラウンで修復することで破折のリスクを軽減することができます。

また、クラウンで修復する場合、もともと神経のあったスペースにポスト、あるいはコアといわれる土台を入れますが、素材に金属を用いると、歯質との弾性係数の大きな隔たりにより、破折しやすくなると言われています。更に、ポストが短かかったり、歯質ときちんと接着していないと一段と破折しやすくなります。言い換えれば、適切な長さのグラスファイバー製のポストとプラスチックを用いたコアを、歯質としっかり接着させることにより、破折のリスクを軽減できます。

ただ、この土台部分は患者さんの目からは見えないため、きちんした治療が行われていないことが非常に多く見受けられます。これは建物を建築する際、建ててしまえば見えない土台には手抜き工事を行い、上物のみ見栄え良く建てることと同じです。
土台の治療は地味ではありますが、歯を支える屋台骨ですから、この治療には時間と費用をかけることの大切さを是非、皆様にはご理解頂きたいと思います。
また、クラウンと歯質との境から虫歯が生じると、これも破折の原因となるため、精度の高い修復物を入れていただくことが大切です。

次に二番目の歯に加わる「力」の要因です。
これをできるだけ小さくすれば破折は起こりにくくなります。
昼間、起きているときに歯が割れるほど大きな力で噛む人はまずいません。食事中に硬いものの混入等で割れてしまうのは事故であり、これを防ぐことは不可能です。

問題は夜間の就寝時に加わる「力」です。具体的には夜間就寝時の歯ぎしりあるいは噛みしめです。
歯ぎしりや噛みしめの原因は様々で、これらを取り除くことはなかなか難しいのですが、原因によっては噛み合わせの調整(咬合治療)によって可能となる場合もあります。

それ以外の場合は対症療法となり、その一つは噛みしめる筋肉の筋力を減弱するためのボツリヌス菌の注射投与ですが、もっと手軽にできる対策として「ナイトガード」の応用があります。
「ナイトガード」とは患者さんの歯の型どりを行い、作製した薄いマウスピースを上顎の歯にだけ就寝時に装着して頂くという方法です。

歯と歯の間に柔らかい樹脂が介在することにより、歯が削れたり、強大な力が一点に集中することを避けてくれます。装着してお休みになれる様であれば、非常に有効な手段となります。
これは健康保険で作製することができ、費用もそれほどかかりません。
費用対効果が大きいので、失活歯が多い方、歯ぎしり・噛みしめがある方、歯根破折を繰り返す方には是非、装着して頂くことをお勧め致します。

歯周病は世界一の感染症?

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
お口の中の病気といえば、まず虫歯を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は、歯を失う原因の第1位は歯周病であることを皆さんはご存知でしょうか?
今回は虫歯と並び、お口の中の2大疾患である、歯周病についてお話していきますね。

驚くことに、歯周病は2001年にギネス記録に登録されていまして、ギネスブックには次の通りに記載されています。“歯周病は人類史上、最も感染者数の多い感染症である。” “全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数える程しかいない。”
その後20年経ちますが、世界一を破られる事なく現在に至ります。
日本でも、厚生労働省が平成23年に行いました歯科疾患実態調査で、成人の約8割以上で、歯周病の症状があったという報告があるそうです。

さて、最も多くの人が罹っている歯周病とは、どんな病気なのでしょうか?
その字の通り、歯周組織と言われる歯を支えている歯肉や歯槽骨(しそうこつ・顎の骨)の病気で、プラーク(歯垢)という細菌の塊が原因でこの歯周組織が細菌感染を起こしてしまいます。
感染が起きると、歯肉が炎症を起こし、腫れてきます。その後、炎症が進むと、歯槽骨が壊されていきます。
歯は、この歯槽骨に支えられていますので、歯槽骨が壊されていくと歯がグラグラと揺れてきて、最終的には抜歯するしか治療ができなくなってしまいます。

ではこの歯周病を防ぐにはどの様にしたら良いのでしょうか?
先ほどお伝えしたように、歯の表面につくプラークが大きな原因となります。このプラークは歯磨きで落とす事ができますので、丁寧な歯磨きでプラークを落とし、綺麗なお口の中を保つことが一番の予防になります。歯ブラシやワンタフトブラシ(一本磨き用歯ブラシ)など目的別に歯ブラシを使い分け、歯と歯の間にはデンタルフロスや歯間ブラシを使用すると効果的です。

歯周病は軽度の段階では、自覚症状がほとんどありません。ご自身で痛みや歯の揺れなどを感じた時には、重度の歯周病にまで進んでいる事も多くあります。軽度のうちに、早く治療を受ける事で歯の寿命が長くなる可能性が上がります。
歯科医院の定期検診では、歯周病の検査を受ける事ができます。歯周病の検査は、歯周病の進行具合や、どの歯の周りに炎症が起きているのかが、わかる大切な検査です。歯肉を触られる感覚は苦手な方も多いと思いますが、悪い所が無いか定期的に検査を受けて下さいね。

吉田デンタルクリニック
歯科衛生士 児嶋