私達は“ジャガー”ではないので・・・

今日は土曜診療日であります。
昨日の金曜日、私が1週間とっても楽しみにしている「チコちゃんに叱られる!」の放送がありました。

そのなかで歯科医療従事者にとって興味深かったのが、動物のジャガーの話題です。
ジャガーは顎と牙が非常に発達していて、捉えた獲物の頭部をかみ砕いて仕留めるそうです。(放送では亀の甲羅に噛みついていました コワイ・・・)、
その力は凄まじく、既に絶滅してしまった巨大動物と闘うなら生かせた能力も、今の世の中では無用の長物・・・というようなちょっと残念な内容でした。

そこでお仕事熱心な菊地さんは、ふと、患者さんとの会話を思い出しました。
歯根破折の治療をされた方なのですが、お話ししているうちに硬いものがとてもお好きなことがわかりました。
破折治療後の経過観察中の歯に装着してある仮歯が取れていらしたのですが、グミを食べて仮歯を噛み砕いてしまったとのこと・・・
グミは避けて頂いた方が・・・(汗) とお伝えしたのですが、なんでも“噛みキング”という超硬いグミがあるそうですね。それもお好きだそうで、う~ん、歯には過酷な嗜好かも・・・

この方に限らず、受付でお話ししていると、歯根破折を起こす方はやはり硬いものがお好きな傾向にあるように感じます。あとは私のように歯の質が弱い方や、歯ぎしり・噛みしめなどで、自分で自分の歯を割ってしまう方などかな~と、あくまでも受付の感覚ですが、そのように思います。

残念ながら、人間の顎や歯はジャガーのように強靭ではありませんヨ。
歯が折れたり割れたりしても、永久歯はもう生えて来ませんヨ。
硬いものがお好きなお気持ちはわかりますが,、一生に1本の歯ですから、あまり酷使しないで、できるだけ長~く、ご自分の歯とお付き合い頂きたいなぁと思います。

吉田デンタルクリニック
受付 菊地

コロナ禍でのホームケア その① 歯ブラシの選び方について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
コロナ禍の現在、皆さま、どの様にお過ごしでしょうか?
当院には遠方から通院される方も多く、定期検診をなかなか受診できず、いつもより間隔が空いてしまい心配、という患者さんのお声も届いています。

いつもお伝えしているように、お口の中の健康は、全身の健康を保つためにはとても重要です。毎日のホームケアを徹底し、定期検診の間隔が延びてしまっても、悪化する事の無いよう、今回より数回にわたってホームケア時に気をつける点をお話していきますね。

初回は、歯ブラシのお話です。
まずは、歯ブラシの選び方です。自分にはどんな物が合っているのか?これは本当にその方のお口の中によって変わってきますので、やはり診察の際にアドバイスさせていただきたいです。
ただ、共通して言えることは、歯ブラシの毛先の処理が良い物や、ヘッドの先が細くなっている物を選んでいただきたいということです。

歯と歯の間や、歯の根元に残るプラーク(歯垢)は、虫歯や歯周病の原因になります。この細かい部分のプラークを除去することがとても大切なのですが、毛先の処理が甘い歯ブラシで磨くと、歯肉退縮(歯肉が下がってしまう)や歯肉の傷、歯の根元が削れてしまうというトラブルの原因となります。
歯肉退縮や歯の根元が削れると、露出した歯の表面から虫歯になったり、歯が割れたりする事もあるのです。ヘッドの先が小さい物は、一番奥の歯を磨く時に毛先が当たりやすいのでお勧めです。

当院では予防歯科の先進国であるスゥエーデンのTepe(テペ)社というブランドの歯ブラシをお勧めしています。今まで使った事が無いという方にご紹介すると「もう他の歯ブラシは使えない!」と仰る方も多く、実際に私も使用していて、毛質の良さを実感しています。

次に歯ブラシの交換時期ですが、よく言われているのが、歯ブラシを裏側から見て、歯ブラシの柄から外側に毛先が拡がっていたら交換をしましょうという目安です。
実はこれはちょっと危険でして、ブラッシングが上手な方は、数ヶ月使用しても毛先が開かないのです。しかし、顕微鏡で見てみると、毛先は摩耗し、清掃効果がかなり低くなっているそうです。
せっかく丁寧にブラッシングをしても、プラークを除去できなければ意味がありません。また衛生面からも、毛先が開いていなくても1ヶ月に一度は歯ブラシを交換することをお勧めします。

歯ブラシは消耗品ですので、ヘッドの大きさ等は色々使いくらべて、お気に入りの一本を見つけてみて下さいね。

次回はブラッシングのコツについてお話させて頂きます。

吉田デンタルクリニック 
歯科衛生士 児嶋

「こちらにたどり着くまで5軒かかりました。」

先日、初診で歯根破折保存治療のご相談にいらした患者さんが、開口一番、「こちらで5軒目なんですが・・・」と仰いました。
この方は結局、歯根破折治療ではなく、根管治療から始めてみることになり、ご自身で専門医を探すとのことでした。
患者さんの「5軒目」という言葉を耳にした受付が会計時、「あちこち歯科医院さんに行かれているようで大変ですね。」とお声をかけたところ、「歯は命ですから。」ときっぱり話されていたそうです。

これも受付情報なのですが、以前、同じ歯根破折保存治療を受けてセラミックの被せ物までなさった患者さんが、治療終了時に特に受付が尋ねたわけではないそうですが、「こちらにたどり着くまで5軒かかりました。」と仰った方がおられたそうです。
歯のために歯科医院を5軒回られて当院にいらした方が、少なくとも2人おられることを知り、歯の大切さをわかって下さる方が確実に増えていることを改めて実感させられた次第です。

私が歯根破折保存治療を手掛けるようになってから、早いもので8年近くが経過しました。
症例数も700例を超え、今ではこの治療に関連する患者さんを診ない日は無いというほどになりました。この治療を手掛けるようになって良かったこと、それは他院で抜歯といわれた歯を残すことができ、それが歯科医療の基本中の基本である「歯を保存すること」と一致していることです。

歯科大学を卒業した当時、私自身が最も興味のあったインプラント義歯、ブリッジを専門とする歯科補綴(ほてつ)学講座に大学院生として入局し、「失われた歯を取り戻すこと」から始まった歯科医師人生ですが、35年を超えて、歯科医師としての原点に立ち戻ったようで感慨深いものがあります。

本治療法をご教示頂いた故眞坂信夫先生の御遺志を継ぎ、本治療を行っている先生方と現在も月1度のオンライン勉強会を継続して行っています。

歯を大切にされている患者さん方のお力になれることは歯科医師として大変有難いことであり、自分なりに勉強・工夫を重ね、助けられる歯を増やすことができるよう、微力ながら技術の向上に努めて参ります。

吉田デンタルクリニック
院長 吉田 浩一

牛乳パワーで虫歯予防

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
先日、友人と連絡を取っていたときの事です。
友人から「牛乳はカルシウムだから、歯磨きした後に飲んで寝れば、歯の強化になるよね?」
と聞かれたのです。
私は考えた事も無い意外な考え方に驚き「えええ?それは危険!」と慌てて答えました。どうしてだか皆さんはお分かりでしょうか?

牛乳には乳糖という糖質が含まれています。乳糖は砂糖ほどではありませんが、虫歯菌によって歯を溶かす酸が作られます。更に就寝時には、唾液の分泌量が減りますので、プラークを洗い流してくれる唾液の自浄作用も弱まり、細菌が増殖し、虫歯になりやすい環境となるのです。
そのため、歯磨き後に牛乳を飲みそのまま寝てしまうと、虫歯の予防どころか、虫歯ができるリスクがかなり上がってしまうのです。恐ろしいですね。

しかし、その一方で牛乳は歯を強くし、虫歯予防に役立つのも事実です。
牛乳にはカゼインといわれる成分があり、酸性に傾いていた口腔内のPH(酸性・中性・アルカリ性の液性)を正常値まで戻す作用があります。また、歯のエナメル質が、リンやカルシウムを取り込みやすくし、歯の再石灰化を促進して、再石灰化した部分の酸に対する抵抗力を高めてくれるのです。さらには、歯の表面に吸着して保護する役割や、虫歯菌の付着を抑制するという報告もあるそうです。

特に甘い物を食べた後に牛乳を飲むと、お口の中を中和してくれますので、急激に酸性になるのを防ぎ、歯が酸から受けるダメージを減らす事ができます。
カゼインの虫歯予防効果を高めるために、人工的に作り出した物質が、CPP–ACP(カゼインホスホペプチド–非結晶リン酸カルシウム複合体)です。「リカルデント」という商品名を皆さんもご存知では無いでしょうか?
当院でもCPP-ACPの含まれた、「MIペースト」という製品を取り扱っております。
歯磨き粉の様なクリームペースト状で、イチゴやミント等のフレーバーで香りも良いため、使いやすいペーストです。

効果的な使用方法は次の通りです。
歯磨きの後に歯ブラシを使い、歯の表面にMIペーストを塗布します。そのまま3分程度浸透させた後に、お口をお水でゆすいで下さい。
簡単に、しかも美味しい香りで、歯を守れるのは嬉しいですね!是非お試しになって下さい。

なお、MIペーストは、牛乳成分由来のため、牛乳アレルギーの方はご使用をお控え下さい。

吉田デンタルクリニック 
歯科衛生士 児嶋

マスクの下で硬くなっていませんか?

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
先日、テレビを見ていた時の事です。モノマネ芸人のコロッケさんが画面にアップになり、私の目は釘付けになりました。
口角の位置がかなり上の方まで上がっていて、三日月の様な口をしているのです。
とても面白く、大爆笑をすると同時に、よく鍛えられた口周りの筋肉に驚きました。

顔には表情筋という皮膚を動かしている筋肉があります。表情筋は顔面筋とも呼ばれ、口や目や鼻や耳を動かして匂いや音の方向を知る役割や、喜怒哀楽の表情を作り出します。
お口の周り、特に口角部には多くの表情筋があり、口唇を作り動かす口輪筋、上唇を持ち上げる上唇鼻翼挙筋や上唇挙筋、口角を上げる筋肉の小頬骨筋や大頬骨筋、頬を作る頬筋などがあります。

他の一般的な筋肉は、骨と骨とを結んで関節を動かしていますが、表情筋は、骨と皮膚とを結び、皮膚を支えていますので、この表情筋が衰えると、表情が硬くなったり、皮膚のたるみやシワの原因となったりとするのです。
筋肉ですので、トレーニングで鍛える事ができます。私がお勧めしているのは、食事の際によく噛む事です。

食事中は、お口周りの筋肉が複雑に動き、様々な筋肉が鍛えられます。また、筋肉とは直接関係はありませんが、唾液の分泌も良くなるので虫歯や歯周病予防に繋がったり、食べ物が消化しやすくなる事で、胃腸での消化吸収が促進され、消化器官の負担が軽くなり身体にも良い影響を与えたりします。
意識するだけで簡単にできますので、お食事の際は一口30回を目安に噛んで下さいね。

外出にはマスクが必須となり、会話をする際も小声でと、新しい生活様式に少しずつ慣れてきましたが、顔の筋肉が硬くなっていませんか?

口角が上がった表情は、周りの人に魅力的な印象を与えます。また、笑顔で過ごす事で自分自身もポジティブになり、精神的にも安定しやすくなると言われています。
大変な時期ですが、心穏やかに保ち、心身共に健康に過ごしていきましょう。

吉田デンタルクリニック 
歯科衛生士 児嶋

唾液の力(ドライマウスとは?)

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
口腔内を潤してくれている唾液、「ツバ」と呼ばれ、汚い物として扱われますので、あまり良いイメージが無いと思いますが、唾液には優れた力があり、私達の健康を保つのに役立っている事をご存知でしょうか?
今日は陰の立役者である唾液についてお話させていただきます。

唾液は、口腔内の分泌液で、唾液腺から分泌されます。
成分の99%が水分で、水、電解質、粘液、酵素からなります。健康な成人で1日に1〜1.5リットルを分泌すると言われています。

口腔内にもたらす作用としては、
・口腔粘膜の保護 タンパク質の一種であるムチンが各種の刺激から粘膜を保護してくれます。
・のみ込みやすくする 食べ物を湿らせ、細かく砕きやすくし、のみ込みやすくします。
・自浄作用 食べかすなどを洗い流してくれます。
・抗菌作用 リゾチーム、ラクトフェリン、ヒスタミン、ペルオキシターゼ、免疫グロブリンIgAなど、10種類以上の酵素や抗菌物質による抗菌作用があります。
・消化作用 消化酵素のアミラーゼがデンプンを分解して消化しやすくします。
・pH緩衝作用 重炭酸塩やリン酸塩により、飲食後、酸性に傾いたpHを中和させます(酸性に傾くと歯が溶けます。)。
・再石灰化作用 リンやカルシウムがエナメル質を修復してくれます。
・溶解、味覚作用 食べ物が唾液と混ざることにより、脳に情報が届き、味を感じることができます。
この様にたくさんの働きをしています。

唾液の分泌量が低下すると、ドライマウス(口腔内乾燥症)となり、唾液の作用が働かず
舌の痛みや、口臭などの症状に悩まされ、虫歯や歯周病を含めた感染症にも罹りやすくなるなど、色々なトラブルを引き起こします。
ドライマウスの原因はさまざまで、薬剤の副作用、全身疾患、加齢など自身でコントロールできないものから、ストレス、喫煙、食生活、過度のアルコール飲用、口呼吸など改善できるものもあります。

現代病の一つであるドライマウスは、罹患している人が増え続けているそうです。難病のシェーグレン症候群の症状でもあり、誤嚥性肺炎などの全身疾患の原因になる可能性があります。お口の中だけの問題と考えず、気になる方はご相談くださいね。

歯科衛生士 児嶋

「病院は戦場」

4月29日の日本経済新聞に「病院は戦場」という記事が掲載されました。その中の記載です。

“医療スタッフの疲労やストレスは限界を迎えているという。診療中に突然、涙ぐんだ若い医師。「家族のために離職したい」と漏らす看護師。深夜勤務を終えて帰宅しても気が張ってなかなか寝付けず、就寝は午前2時ごろ。4時間後には起床する。”

私はここまで読んで思わず涙がこぼれました。私は歯科医師ですが、強く感じるものがあります。私自身、診療時間外であっても、緊急性が高い場合、スタッフを帰して一人で治療にあたることがあります。小さい頃から歯科医師である父の背中を見て育ち、また、6年間の歯科医学教育を受ける中で、そういった魂が体の中に形成されているのだと思います。

コロナ禍のなか、医療従事者は危険な現場に赴いても特別に収入が増えるわけでもなく、表彰されるわけでもありません。それでも彼らは出ていきます。
何が彼らにそうさせているのでしょうか。この記事は「人命を救う医師であるという自負だけが、今の自分を支えている。」という医師のコメントで結ばれています。

医療従事者が命の危険を冒して治療に当たる中、その一方で自粛要請を無視してパチンコに出かける人、新鮮なものが食べたいと、毎日、3密のスーパーに買い物に出る人たちもおられます。
このような方たちが感染・発病した場合にも現場の医師は治療に当たります。しかも治療費は国家の方針に協力している国民から徴収された健康保険料や税金が使われているのです。
何か理不尽な思いがします。

当院では緊急事態宣言発令後、診療日数を週5日から4日に減らしながら診療を続けています。歯科疾患でお困りの方たちがいらっしゃるからです。感染の危険性を感じながら出勤し、感染対策を施しながら緊張感を持って業務に従事してくれるスタッフには心から感謝しています。

現時点では適切な防護策が採られている場合、歯科医療スタッフと患者さんとの間に濃厚接触はないと考えられています。滋賀県の歯科医院でクラスターが発生したことが報じられていますが、これはスタッフ間での感染であり、歯科医療とは関係がありません。当該医院の患者さんからも感染者は出ていません。

これに関しては、歯科は新型コロナウイルス感染症の最前線で治療にあたっている医療現場と異なる点と言えましょう。ただ、大前提に「適切な防護策が採られている」ということがあり、医療資材の供給が極端に逼迫している現在、どこまで続けられるか?という不安があります。

幸い感染の状況は好転しつつあるようですが、第二波が来る前に、潤沢な医療資材が供給されることを祈るばかりです。

Tired female doctor in scrubs, perhaps after an exhausting surgery

義歯(入れ歯)の取り扱いについて

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
失われた歯を補う治療として、入れ歯を使用されている方も多くいらっしゃると思います。
入れ歯は義歯(ギシ)の中の一つで、一般的に義歯というと、入れ歯を指しますので、今回は統一して、義歯と呼びますね。
義歯は、間違ったお手入れや、不衛生なまま使用してしまうと、義歯だけでなく、ご自身の歯自体の寿命を短くしてしまう事があります。
洗浄方法をご存知無い方もいらっしゃると思いますので、今回は義歯の取り扱いについてお話していきます。

まずは、使い始めですが、義歯の調整が必要になります。強く当たるところは痛みが出るので削るのですが、削りすぎたり、必要ない部分を削ると、ゆるくなったり、安定が悪くなります。少しずつ調整をしていきます。その為、何度か来院が必要になることがあります。
次に食事ですが、初日から何でも食べられる訳ではなく、食べやすい物から少しずつ訓練し、慣れていく必要があります。ここで使えないと諦めてしまう方もいらっしゃいますが、
面積の大きい入れ歯ほど、使いこなすまでに期間がかかりますので、急に使おうとせずに、毎日使用時間を少しずつ増やしていきましょう。
義手や義足なども初日から使いこなせる人はなかなかいらっしゃらないですよね。
総義歯(総入れ歯)の場合、前歯で咬むと外れやすいので、奥歯で咬む事を心掛けて下さい。

お手入れですが、毎食後に義歯を外し、流水下で専用のブラシを使用して磨きましょう。
クラスプ(金属のバネ)周りや、入れ歯のふち、凹凸部には汚れが残りやすいので丁寧に磨いて下さいね。一日一回は義歯洗浄液に浸けて清掃すると清潔に保てます。

義歯の性質上、歯磨き粉を使用すると、研磨剤により表面に傷が付き不衛生になります。
口腔内に装着したまま、ご自身の歯と同じ様に磨かないようにして下さい。また、熱湯は義歯が変形しますので、使用しないで下さい。

お口の中は、日々変化をしています。長く使用している義歯でも調整が必要な場合があります。定期検診の際に洗浄とチェックをしますので、必ずお持ちくださいね。

吉田デンタルクリニック
歯科衛生士 児嶋

「コロナと世界」(『ニューノーマル』という認識)

現在、日本経済新聞一面に連載中の「コロナと世界」というコラムに大変、興味深い内容が掲載されていました。WHOシニアアドバイザーの進藤奈邦子氏に対するインタビューを記事にしたものと思われます。

「新型コロナの教訓は何でしょうか。」という質問に対し、「21世紀に入って経済や社会活動は点から線に、線から面に、面から立体になっている。今までと物事のスピードが圧倒的に違い、感染症も瞬時に拡大する。新型コロナは異常事態ではなく、『ニューノーマル(新常態)』ととらえて対策を打たなければならない」と応えられていました。

これはどういうことでしょうか。
私の解釈ですが、今回のウイルス感染は起こるべくして起こったもので、それに対し、右往左往せず、必然の事象として受け止め、それに順応して生きていく必要があると感じています。
ウイルス感染拡大は当然、忌避すべきものではありますが、それを嘆いてばかりいても始まらない。正面から受け止め、対処していくことが大切だと思われます。

 感情に左右されず、科学的に正しい行動を取ること。
 専門家の打ち出した方策をはっきりと示し、トップに立つ者はこれをやり抜くリーダーシップを発揮すること。

今の日本には後者が欠けていると感じられます。現在の日本の法律には強制力が無いといいますが、自衛隊の海外派遣に対しては憲法の解釈を強引に曲げてまで遂行するのに、事ここに至っては強い意志がみられません。もちろん国家の強制力が戦争に繋がったことを心配する声があることは承知しています。そういったことに対する配慮も必要でしょう。

この新しい常態に望んでいくにあたり、私たち一人ひとりの意識改革が重要であると思われますが、その事を認識させていく強いリーダーの出現が待たれます。

そうは言ってはみたものの、わが身を振り返ると患者さんとスタッフの健康を守りつつ、かつ、歯科医療を行うという社会的責任を果たすため、何が最善なのか、自問を繰り返しています。

お薬が与える口腔内への影響について(歯科治療と内服薬)

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
今回は歯科治療と内服薬のお話です。

人間にとって、お口は食べ物が身体に入っていく過程での最初の消化器であり、身体と口腔内はお互いに影響を及ぼしあっています。

持病や常用薬によっては歯肉から出血しやすくなったり、腫れやすくなる事があるのを皆さんはご存知でしょうか?
丁寧に時間をかけて歯を磨いているのに出血する、歯肉がブヨブヨしている、こんな事はありませんか?歯肉と睨めっこをしていても解決しませんので、一度、歯から離れてみましょう。

原因はお口の中以外にあるかもしれません。
私が定期検診を担当している患者さんのお話です。
最初に拝見した際に歯肉全体に腫れがあり、プラークコントロール(ブラッシングで歯垢を除去すること)が不十分でした。
まずは口腔内の環境を整える事が大切だと思いましたので、検診とクリーニングやブラッシング指導を受けていただく為に、定期的な来院をお願いしました。

熱心にブラッシングに取り組んで下さった結果、以前に比べてプラークコントロールは良くなりました。ただ、歯肉のプクプク感は取れず、単純な歯肉炎以外の原因が考えられました。

改めてお身体や常用薬について伺うと、初診時には服用していなかったので、問診票には記入されていなかったけれども、現在では歯肉が出血しやすくなる薬を服用されている事がわかったのです。

口腔内に影響を与える主なお薬としては、カルシウム拮抗剤(降圧剤)、フェニトイン(抗てんかん剤)、シクロスポリン(免疫抑制剤)、ワーファリン(抗凝固薬)、骨粗しょう症薬、抗うつ薬や抗精神病薬など様々なものがあります。
症状としては、口腔内の乾燥や歯肉の増殖・出血などが挙げられます。また抜歯や手術の際には、注意が必要となるお薬もあり、薬の種類によってば休薬をお願いする場合もあります。

リスクがある方には定期検診の間隔の調整や、ホームケアの強化や清掃器具を変更する事がありますし、治療では、医科との連携、治療内容や時期の検討も必要となります。

もちろん、外科処置が必要な際には、事前に必ずこちらから確認をしていますが、常用薬やお身体に変化があった場合には、必ず診療前にお申し出ください。
また、歯科治療の支障になるからと、自己判断による服用中断は大変危険ですので、必ず主治医にご相談下さいね。

吉田デンタルクリニック
歯科衛生士 児嶋