コロナ禍でのホームケア その⑤ 歯と歯の間のお掃除について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
皆さんは、歯と歯の間から虫歯や、歯肉の腫れが進んでいると、言われた事はありませんか?
今回は虫歯や歯周病になりやすい、歯間部(歯と歯の間)をお掃除する道具である、デンタルフロスと歯間ブラシについてお話させていただきます。

歯ブラシだけの歯磨きでは、歯間部に汚れが残りやすく、60%程のプラーク(歯垢)しか除去ができないといわれています。つまり、歯ブラシのみの歯磨きですと、丁寧に時間をかけて磨いていても、歯間部には40%のプラークは残っているのです。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用する事によって、80〜90%までプラーク除去をする事ができます。

「デンタルフロスと歯間ブラシのどちらを使用するのか?」、これはよく頂くご質問です。基本的には、歯間部の隙間が小さい方や前歯に対しては、デンタルフロスを使用し、歯間部の隙間がある方(間の根元に食べ物がつまる方)に対してはデンタルフロスと歯間ブラシの併用をお勧めいたします。
また、ブリッジ(橋渡しの被せ物)にはデンタルフロスが入りませんので、歯間ブラシの使用は必須となります。

それぞれの使い方を説明していきます。
・デンタルフロス
繊維の束が連なっている糸状の物です。繊維が細かく、数が多い物を選びましょう。
歯間部の上からノコギリの様に動かし、歯と歯の接触点を通過させます。
その後、手前の歯の根元にフロスを沿わせて上下に2、3回フロスを動かし、プラークをフロスに絡めて取ります。その後、奥側の歯にも同様に歯の根元の面を磨きましょう。少し歯肉の中にフロスを入れるのがポイントです。プラークが取れたら、再度、ノコギリの様に動かしながら、歯間部からフロスを取り出します。

・歯間ブラシ
ナイロン毛のブラシを選びましょう。
一般的なL字型の歯間ブラシの場合、執筆状(ペン持ち)に持ち、歯と歯の間に真横からブラシを入れ、ブラシの方向に優しく数回動かして使いましょう。歯肉を傷つけない様に少しだけ角度を斜め上(歯の噛む面の方向)に向かって入れるのがポイントです。歯の隙間に合わせてブラシ太さのサイズを選ぶのが大切ですが、入れる時にスッと入り、動かした時にきつくないサイズを選びましょう。

デンタルフロスも歯間ブラシも様々なタイプがありますので、迷われた際には是非ご相談下さい。

さて、5回に渡ってご紹介しました”コロナ禍でのホームケア”は、今回が最終回となります。
生活習慣がガラっと変わり、お口の中が不安定になっている方も多くいらっしゃいます。毎日のご自身のケアで、お口の中を守ってあげて下さい。また、来院頂ける様でしたら、3〜6ヶ月に一度は定期検診にいらっしゃって下さいね。

吉田デンタルクリニック
歯科衛生士 児嶋

コロナ禍でのホームケア その④ 洗口液について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
前回は舌のお掃除についてお話させていただきました。今回は更に口腔内の環境を整えるべく、洗口液の活用についてお話させて頂きます。

まず洗口液の効果・効能についてですが、化粧品に分類される物は、お口の中を浄化し口臭を予防します。
医薬部外品に分類されるものには、上記の効果・効能に加えて、虫歯の予防、歯肉炎の予防、歯石沈着の予防などの効果・効能があります。(各薬用成分により異なります。)
使用する場合には、お悩み別に医薬部外品の中から選んでいただきたいのですが、主な目的は、口腔内を殺菌するために使用する、という事です。

いつもお話している様に、虫歯歯周病は細菌感染症です。お口の中には沢山の細菌がいますが、その中に虫歯・歯周病菌も常在しています。虫歯や歯周病が再発症するのは、その為です。

しかしお口の中の8割の菌は、日和見菌といわれる良くも悪くも働かない菌なので、常に悪さをしている訳ではありませんが、日和見菌は悪い菌の勢力が強くなると、味方をしてしまうので、細菌バランスが乱れ、歯科疾患に罹りやすくなります。これはマイクロバイアル・シフト(悪い口腔内細菌が力を増し、病原性が高くなる事)と呼ばれ、今、予防歯科ではマイクロバイアル・シフトを起させないという事が大切だといわれています。

ブラッシングは上手くできているのに、虫歯や歯周病になりやすい、進行しやすいという方は、洗口液を活用してみて下さいね。

虫歯になりやすい方へのオススメ
・ウェルテック コンクールF (25〜50mlのお水に5〜10滴垂らし、ブクブクうがい)
・ライオン チェックアップ フッ化ナトリウム洗口液0.1% (付属のキャップで10ml計量し、30秒ブクブクうがい)

夜の歯磨き後にコンクールFを使用し、その後チェックアップを使用して下さい。
(効果が気になる方は、コンクールFの使用後1時間ほど空けて、チェックアップを使用して下さい。)

歯周病や口臭が気になる方へのオススメ
・ウェルテック コンクールF
虫歯になりやすい方同様、夜の歯磨き後にコンクールFを使用して下さい。

どちらの洗口液も飲み込まずに、必ず吐き出して下さい。
コンクールFは、必ず希釈して使用する事、またグルコン酸クロルヘキシジンアレルギーの方はご使用をお控え下さい。

吉田デンタルクリニック 
歯科衛生士 児嶋

コロナ禍でのホームケア その③ 舌のお掃除について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
前回は、ブラッシングについてお話しさせていただきました。
ブラッシングは口腔ケアのメインですので、とても重要ですが、虫歯菌や歯周病菌は、歯だけでなく舌や粘膜にも潜んでいるのを皆さんはご存知でしょうか?

特に舌苔(舌の汚れ)は、お口の中の清潔度を表すと言われており、古くなった粘膜や食べ物のカスなどの汚れが付着してできたもので、細菌の温床になっています。
歯だけでなくお口の中全体を綺麗に保つ事が、お口の中や全身の健康のために重要なのです。そこで今回は舌の汚れの舌苔のお掃除についてお話ししていきますね。

まずタイミングですが、夜、就寝間に細菌は増えるので、朝、起床後のブラッシングの後に行うのがお勧めです。専用のクリーナーを使用するか、ガーゼを指に巻いて行います。

舌をベーっと思い切り前に出して、舌の奥から手前に動かして汚れを取っていきます。
舌を前に出す事で、清掃時の嘔吐反射(お口の奥を触ると、気持ち悪くなる、吐きそうになる事)を防ぐ事ができます。
注意点は、舌はとてもデリケートなので、力を入れない事、何度もこすらない事です。
1日1回を目安に、鏡を見ながら優しく行いましょう。

当院では歯ブラシと同じ、Tepe社から出ているタングクリーナー(舌クリーナー)を取り扱っています。

こちらの特徴は、
・色のついたヘラになっていて、白い舌苔が目視しやすい。
・ヘラが大きく、3列のクリーニング面があり、一回のストロークで充分な効果“トリプルエフェクト”が得られる。
・両面を使える様になっていて、しっかり取りたい時は丸く出ている面、優しく取りたい時には平面と、使い分けができる。
・ブラシタイプと比べて、綺麗に洗い流せるので清潔に保て、無くさない限り一生使える。お手入れには、食器洗い洗剤も使用できます。

・地球に優しい再生可能なサトウキビ由来のバイオプラスティック素材で、CO2の排出を95%リサイクルさせる事が可能で、地球温暖化の主な原因と言われている、温室効果ガス排出への影響がほとんど無い、環境に優しいサスティナブルなクリーナーです。

実際に私も使用してみて、作りがしっかりしているので、動かす時の安定の良さを感じますし、使用感も良く、Tepe社の製品は本当に優秀だなと感じました。

歯ブラシ立てに並べていますが、目立つので朝寝ぼけていても、使うのを忘れないのも良い点です。
患者さんにご紹介すると、「他のクリーナーを持っているが、こちらの方が良さそう!使いたいです。」という方も何名かいらっしゃいました。
お色はグリーンとピンクの2色からお選びいただけます。お値段は1本¥700(税込)で販売していますので、一生使えるかと思うとお値打ち品ですね。

吉田デンタルクリニック
歯科衛生士 児嶋

 コロナ禍でのホームケア その② ブラッシングのコツ

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
前回は歯ブラシの選び方についてお話しましたので、今回は実際のブラッシングについてお話していきますね。

まずは、歯肉が健康な方のブラッシング法です。
(ブラッシング時に出血が無い、定期検診時の歯周病検査で出血が無い方)
・スクラビング法 
歯の表側(頬側)は、歯ブラシを歯に対し、直角に当て、細かく左右に動かします。
歯の根元を磨く際には、歯ブラシのヘッドを歯肉よりに傾けて毛先を当てます。また、歯の内側(舌側)を磨く際には、ヘッドを根元方向に45°傾けて毛先を当てましょう。
歯ブラシはペンを持つ様に持ち(ペングリップ)、大きく動かしたり、脇が開いたりしない様に、注意しましょう。

次に、歯肉に炎症のある方のブラッシング法です。
(ブラッシング時や歯周病検査時に出血がある、歯肉がブヨブヨしている方)
・バス法 
歯ブラシを根元方向に45°傾け、歯と歯肉の境に当て、細かく左右に動かします。
歯ブラシはスクラビング法と同様にペングリップで持ち、毛先を歯肉に押し付けない様に注意して磨きましょう。

ブラッシング法は他にも複数ありますが、今回は簡単にすぐ実践できる方法をご紹介しました。ご自身のお口の中や歯の並びによって部分的に磨き方を変えたり、いくつかのブラッシング法を取り入れたりする必要があります。ご興味のある方は、定期検診時にアドバイスさせていただきますので、是非お申し付け下さい。

ブラッシングをする際、とても大切なことは、歯を磨く順番を決めることです。
意識せず磨いていると、苦手な部分にはいつも歯ブラシが当たらず、汚れが溜まりがちです。順番を決めて磨いて頂き、ブラッシング後に、舌で歯の表面を触ってツルツルになっていることを確認することにより、磨き残しを減らすことができます。
歯の表面がザラザラしていると汚れが落ちていない可能性が高いので、追加でブラッシングをして下さい。また、歯と歯の間のプラークが残りますので、デンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。

次回は、虫歯菌や歯周病菌の温床となる、舌の汚れを取る方法についてお話していきますね。

吉田デンタルクリニック 
歯科衛生士 児嶋

コロナ禍でのホームケア その① 歯ブラシの選び方について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
コロナ禍の現在、皆さま、どの様にお過ごしでしょうか?
当院には遠方から通院される方も多く、定期検診をなかなか受診できず、いつもより間隔が空いてしまい心配、という患者さんのお声も届いています。

いつもお伝えしているように、お口の中の健康は、全身の健康を保つためにはとても重要です。毎日のホームケアを徹底し、定期検診の間隔が延びてしまっても、悪化する事の無いよう、今回より数回にわたってホームケア時に気をつける点をお話していきますね。

初回は、歯ブラシのお話です。
まずは、歯ブラシの選び方です。自分にはどんな物が合っているのか?これは本当にその方のお口の中によって変わってきますので、やはり診察の際にアドバイスさせていただきたいです。
ただ、共通して言えることは、歯ブラシの毛先の処理が良い物や、ヘッドの先が細くなっている物を選んでいただきたいということです。

歯と歯の間や、歯の根元に残るプラーク(歯垢)は、虫歯や歯周病の原因になります。この細かい部分のプラークを除去することがとても大切なのですが、毛先の処理が甘い歯ブラシで磨くと、歯肉退縮(歯肉が下がってしまう)や歯肉の傷、歯の根元が削れてしまうというトラブルの原因となります。
歯肉退縮や歯の根元が削れると、露出した歯の表面から虫歯になったり、歯が割れたりする事もあるのです。ヘッドの先が小さい物は、一番奥の歯を磨く時に毛先が当たりやすいのでお勧めです。

当院では予防歯科の先進国であるスゥエーデンのTepe(テペ)社というブランドの歯ブラシをお勧めしています。今まで使った事が無いという方にご紹介すると「もう他の歯ブラシは使えない!」と仰る方も多く、実際に私も使用していて、毛質の良さを実感しています。

次に歯ブラシの交換時期ですが、よく言われているのが、歯ブラシを裏側から見て、歯ブラシの柄から外側に毛先が拡がっていたら交換をしましょうという目安です。
実はこれはちょっと危険でして、ブラッシングが上手な方は、数ヶ月使用しても毛先が開かないのです。しかし、顕微鏡で見てみると、毛先は摩耗し、清掃効果がかなり低くなっているそうです。
せっかく丁寧にブラッシングをしても、プラークを除去できなければ意味がありません。また衛生面からも、毛先が開いていなくても1ヶ月に一度は歯ブラシを交換することをお勧めします。

歯ブラシは消耗品ですので、ヘッドの大きさ等は色々使いくらべて、お気に入りの一本を見つけてみて下さいね。

次回はブラッシングのコツについてお話させて頂きます。

吉田デンタルクリニック 
歯科衛生士 児嶋

牛乳パワーで虫歯予防

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
先日、友人と連絡を取っていたときの事です。
友人から「牛乳はカルシウムだから、歯磨きした後に飲んで寝れば、歯の強化になるよね?」
と聞かれたのです。
私は考えた事も無い意外な考え方に驚き「えええ?それは危険!」と慌てて答えました。どうしてだか皆さんはお分かりでしょうか?

牛乳には乳糖という糖質が含まれています。乳糖は砂糖ほどではありませんが、虫歯菌によって歯を溶かす酸が作られます。更に就寝時には、唾液の分泌量が減りますので、プラークを洗い流してくれる唾液の自浄作用も弱まり、細菌が増殖し、虫歯になりやすい環境となるのです。
そのため、歯磨き後に牛乳を飲みそのまま寝てしまうと、虫歯の予防どころか、虫歯ができるリスクがかなり上がってしまうのです。恐ろしいですね。

しかし、その一方で牛乳は歯を強くし、虫歯予防に役立つのも事実です。
牛乳にはカゼインといわれる成分があり、酸性に傾いていた口腔内のPH(酸性・中性・アルカリ性の液性)を正常値まで戻す作用があります。また、歯のエナメル質が、リンやカルシウムを取り込みやすくし、歯の再石灰化を促進して、再石灰化した部分の酸に対する抵抗力を高めてくれるのです。さらには、歯の表面に吸着して保護する役割や、虫歯菌の付着を抑制するという報告もあるそうです。

特に甘い物を食べた後に牛乳を飲むと、お口の中を中和してくれますので、急激に酸性になるのを防ぎ、歯が酸から受けるダメージを減らす事ができます。
カゼインの虫歯予防効果を高めるために、人工的に作り出した物質が、CPP–ACP(カゼインホスホペプチド–非結晶リン酸カルシウム複合体)です。「リカルデント」という商品名を皆さんもご存知では無いでしょうか?
当院でもCPP-ACPの含まれた、「MIペースト」という製品を取り扱っております。
歯磨き粉の様なクリームペースト状で、イチゴやミント等のフレーバーで香りも良いため、使いやすいペーストです。

効果的な使用方法は次の通りです。
歯磨きの後に歯ブラシを使い、歯の表面にMIペーストを塗布します。そのまま3分程度浸透させた後に、お口をお水でゆすいで下さい。
簡単に、しかも美味しい香りで、歯を守れるのは嬉しいですね!是非お試しになって下さい。

なお、MIペーストは、牛乳成分由来のため、牛乳アレルギーの方はご使用をお控え下さい。

吉田デンタルクリニック 
歯科衛生士 児嶋

唾液の力(ドライマウスとは?)

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
口腔内を潤してくれている唾液、「ツバ」と呼ばれ、汚い物として扱われますので、あまり良いイメージが無いと思いますが、唾液には優れた力があり、私達の健康を保つのに役立っている事をご存知でしょうか?
今日は陰の立役者である唾液についてお話させていただきます。

唾液は、口腔内の分泌液で、唾液腺から分泌されます。
成分の99%が水分で、水、電解質、粘液、酵素からなります。健康な成人で1日に1〜1.5リットルを分泌すると言われています。

口腔内にもたらす作用としては、
・口腔粘膜の保護 タンパク質の一種であるムチンが各種の刺激から粘膜を保護してくれます。
・のみ込みやすくする 食べ物を湿らせ、細かく砕きやすくし、のみ込みやすくします。
・自浄作用 食べかすなどを洗い流してくれます。
・抗菌作用 リゾチーム、ラクトフェリン、ヒスタミン、ペルオキシターゼ、免疫グロブリンIgAなど、10種類以上の酵素や抗菌物質による抗菌作用があります。
・消化作用 消化酵素のアミラーゼがデンプンを分解して消化しやすくします。
・pH緩衝作用 重炭酸塩やリン酸塩により、飲食後、酸性に傾いたpHを中和させます(酸性に傾くと歯が溶けます。)。
・再石灰化作用 リンやカルシウムがエナメル質を修復してくれます。
・溶解、味覚作用 食べ物が唾液と混ざることにより、脳に情報が届き、味を感じることができます。
この様にたくさんの働きをしています。

唾液の分泌量が低下すると、ドライマウス(口腔内乾燥症)となり、唾液の作用が働かず
舌の痛みや、口臭などの症状に悩まされ、虫歯や歯周病を含めた感染症にも罹りやすくなるなど、色々なトラブルを引き起こします。
ドライマウスの原因はさまざまで、薬剤の副作用、全身疾患、加齢など自身でコントロールできないものから、ストレス、喫煙、食生活、過度のアルコール飲用、口呼吸など改善できるものもあります。

現代病の一つであるドライマウスは、罹患している人が増え続けているそうです。難病のシェーグレン症候群の症状でもあり、誤嚥性肺炎などの全身疾患の原因になる可能性があります。お口の中だけの問題と考えず、気になる方はご相談くださいね。

歯科衛生士 児嶋

長生きしたいなら医者より歯医者?

2020年、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック開催の年となりました。
皆様、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
年末年始の休診中、老後の生き方について特集されたある雑誌の「長生きしたいなら医者より歯医者」という記事が目に留まりました。
記事を書かれているのは歯周病治療を専門とされている歯科医師です。

歯を失う最大の要因が歯周病で、その割合は約40%を占めているという報告があります。次の要因が約30%を占める虫歯で、その次が歯根破折となっています。このなかで最も怖いのは歯周病で、それは以下の理由によります。

まず歯周病は虫歯と異なり、かなり進行するまで症状が自覚しにくい点があります。また、複数の歯が同時に罹患する傾向にあります。ブラッシング時の出血などで異常を確認できますが、殆どの方は見過ごしてしまうか、もしくは気が付いても大したことはないとの自己判断で放置されてしまいがちです。歯がぐらつくようになり、ようやく歯科医院を受診しても、その時には既に重度の歯周病で、そう遠くない将来、一度に複数の歯を失うことになります。

そして、歯を失うことと同時に怖いのは歯周病と全身疾患との関わりです。
歯周病と関係する全身疾患は現在、判っているだけで、糖代謝異常、心臓・脳血管障害、呼吸器系疾患などが挙げられます。何れも歯周病菌あるいは歯周病菌が産生する物質が血管を介して他の臓器に移動することにより引き起こされるのです。具体的な病気としては糖尿病、狭心症・心筋梗塞、アルツハイマー型認知症、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、早産・低体重児、EDなどとなります。

一般的な健康診断や人間ドックでは血液検査、CT検査、レントゲン検査、超音波検査などで体の隅々まで調べるのに対し、歯科検診はオプションですら含まれていないのが現状です。従って歯科医院で定期的に口腔内を診てもらうことは、虫歯や歯周病から歯を守るだけでなく、全身疾患を予防するという重要な意味合いを持っていると言えます。
また、虫歯や歯周病のみならず、芸能人が患ったことで有名になった口腔ガンなどの軟組織疾患もあります。全身のPET検査で発見されることもありますが、歯科医院で口腔内を診てもらえば容易に発見できます。

当院は京橋というオフィス街にあるため、多くのビジネスパーソンが定期検診にお越しになりますが、お忙しい方ほど会計時に3ヶ月後、6ヶ月後と次回の検診のお約束を取って行かれるようです。口腔内を健康に保つことの重要性を理解されていらっしゃるのだと思います。

本コラムをお読み頂いている皆さん、医者より歯医者が大事かどうかは別として、健康寿命を延ばすことを希望されるのであれば、歯の健康を保つことは重要です。
歯科医院で定期的なケアを受けて頂くことをお勧めします。

吉田デンタルクリニック
院長 吉田 浩一

酸蝕歯(さんしょくし)とは

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
急に寒さが増して、今年もあと1か月となりました。
寒くなる=みかんが旬の季節ですね!

みかんに多く含まれるビタミンCは、抗酸化作用や体の免疫力を高める働きがありますので、風邪やインフルエンザの予防に効果的です。
これからの時期に、積極的にとりたいですね。

美味しくて栄養たっぷり、手軽に食べられるので、私もついつい幾つも手が伸びてしまうのですが、みかんやお酢などの、酸性の強い飲食物を過剰摂取すると、お口の中で歯を溶かす原因となることを皆さんはご存知ですか?

お口の中が、長時間、酸性に傾いている事によって、溶けている歯を酸蝕歯(さんしょくし)と呼びます。
症状としては、
前歯では、艶が無くなり、歯の先端が薄くなったり、欠ける
奥歯では、下図の様に噛む面に丸く窪みができたり、歯の凹凸が無くなり丸くなる、歯の詰め物が外れやすい
などです。

以下の方は特に注意が必要です。 
 柑橘類や酢飲料、炭酸飲料、スポーツドリンク、コーヒー、ワインなどを頻繁に摂取する方
 過度なダイエットや摂食障害、胃症状などにより日常的に嘔吐がある方

飲食物に関しては、体に良い物が多いので、食べること自体は悪くありません。
ただ、いわゆるダラダラ食いをしていると、いつまでお口の中が酸性のままで、歯が溶けやすくなってしまいます。
時間と量を決める事を心掛けて下さいね。
また、食後はお水を飲み、30分以上経過してからの歯磨きをお勧めします。

吉田デンタルクリニック
歯科衛生士 兒嶋

「どうして歯磨きをするの?」

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
当院にかかられている皆さんに、歯磨きの習慣を尋ると、歯磨きを全くしませんという方は今のところいらっしゃいません。
気がつけば、私も幼い頃に1日数回歯磨きをするのが習慣になっていました。
夜は母に必ず仕上げ磨きをしてもらうので、姉妹で見てもらう順番待ちをしたり、誰が早く磨き終わるか競争をしたものです。

でも、どうして歯磨きをするのでしょう?
私は歯科衛生士学校へ行くまでの10数年間、特に疑問に思ったり、歯を磨く目的を考えた事はありませんでした。
「虫歯になるから、口の中がモヤモヤして気持ち悪いから磨こうかなぁ」、くらいの考えでした。

同じ様にお考えの方や、”食べたら歯を磨きましょう”という言葉を言われた事がある方、「食事をしたから歯を磨かないと虫歯になる。」と思っている方も多いと思います。
これは間違いではありませんが、100点満点の正解ではありません。

ご存知の通り、お口の中の2大疾患といえば、虫歯と歯周病です。
このどちらの疾患も細菌が原因で起こる感染症です。
ですので、いくら食べカスを取ったとしても、細菌(プラーク)が残っていると、
虫歯や歯周病に罹患し、進行してしまうのです。

皆さん、もうお気づきですね、
そうです、歯磨きの目的はプラーク(細菌の塊)を取る事です。
プラークは食事をしなくても、歯の表面に付着し、嗽(うがい)では取れませんので、歯磨きが必要になります。
特に寝ている間の細菌の増加量はとても多くなります。
ですから、虫歯や歯周病の予防には、就寝前と朝の歯磨きが効果的です。
なかでも就寝前の歯磨きは丁寧に行い、歯ブラシの他にデンタルフロスや歯間ブラシを使用すると、虫歯や歯周病に罹患するリスクが下がりますので、実行してみて下さいね。

歯科衛生士 児嶋