根面カリエス(歯の根元の虫歯)について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
今回は根面カリエスという、歯の根元の部分にできる虫歯についてのお話です。

歯は、頭の部分の歯冠部(皆さんが毎日歯磨きする部分です)と、その下の歯の根の部分の歯根部とに分けられます。
通常、歯根部は歯肉に守られていて、目には見えないのですが、加齢や歯周病、ブラキシズム(歯ぎしり、食いしばり)などにより、歯肉が下がると、歯の根が露出してしまいます。この歯の根の部分にできる虫歯が根面カリエスです。

根面カリエスは非常に厄介な虫歯なのですが、その理由は歯の構成上にあります。
歯の歯冠部はエナメル質(その下に象牙質があります)というツルツルしたとても硬い組織でできていますが、歯根部はセメント質、象牙質という組織からできていて、表面に非常に小さな穴が空いているため、虫歯になると穴が開きやすく、神経までの距離も近いため進行も早いのです。
その結果、治療で歯の神経を取らなければいけない確率が上がったり、最悪の場合、歯が根元から折れてしまったりする事もあります。

一度下がってしまった歯肉は、基本的に元の位置まで戻る事はありませんので、露出してしまった歯根部は、常にカリエスリスクの高い状態で口腔内に存在することになります。

それではどの様にして根面カリエスを予防すれば良いのでしょうか?
歯根部は歯冠部に比べて、プラークが付着しやすく、丁寧なブラッシングが必要となってきます。毛先の品質が良い歯ブラシや歯間ブラシを使用して、軽い力で磨いて下さい。
毛先の品質の悪い歯ブラシや、強い力でのブラッシングは、歯根部が削れてしまう原因の一つですので注意が必要です。

歯磨き粉は専用の物がお勧めです。当院ではライオンのチェックアップシリーズより、ルートケアという歯磨き粉を扱っています。
このルートケアの歯磨き粉は、ジェル状で研磨剤が無配合で歯に優しい上、コーティング剤のPCAにより、露出した歯根部の象牙質表面のコラーゲンをコートしてくれます。
また、知覚過敏抑制効果のある硝酸カリウム、虫歯予防効果のあるフッ素も1450ppm入っていますので、歯肉退縮にお悩みの方、虫歯になってしまう前に是非一度、お試し下さい。

吉田デンタルクリニック
歯科衛生士 児嶋

歯周病と認知症

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
前回は歯周病についてお話させていただきました。歯周病はお口の中だけでなく、様々な全身疾患にも影響を与えています。
今回は、最近テレビや新聞でも話題となっている、歯周病と認知症の一種である、アルツハイマー病の関係についてお話させていただきます。

アルツハイマー病は、脳が萎縮していく病気で、現在のところ、予防薬や根本的な治療法などは無いと言われています。症状は、記憶障害や判断力の低下から始まり、最終的には寝たきりになる場合もあります。アルツハイマー病は、認知症の60〜70%を占めると言われていて、大部分は65歳以上で発病します。
脳の萎縮は、アミロイドβなどの異常なたんぱく質が脳に蓄積される事が原因で起こります。

さて、歯周病との関係ですが、以前より歯周病は、アルツハイマー病を悪化させると言われていたものの、詳しい仕組みは明らかにされていませんでした。
しかし昨年、ついに、九州大学らの研究により、歯周病菌がアルツハイマー病の原因となるアミロイドβを増やし、脳に蓄積させるという仕組みが明らかになったのです。

歯周病菌は歯肉から血管内に侵入して、全身に運ばれるのですが、歯周病の主な原因菌の一つである、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)は、カテプシンBという酵素を増やします。このカテプシンB酵素は、体の中ではアミロイドβを作り、脳の中ではアミロイドβの受け皿となる受容体を増やしてしまいます。その結果、脳内にアミロイドβが蓄積されてしまうのです。

先ほどお伝えした様に、脳内にアミロイドβが蓄積されると、アルツハイマー病を引き起こしますので、歯周病の治療や予防をする事で、認知症にかかるリスクを減らす事ができるのです。
今日から歯磨きが少し丁寧になるといいですね!

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歯科衛生士 児嶋

歯周病は世界一の感染症?

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
お口の中の病気といえば、まず虫歯を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は、歯を失う原因の第1位は歯周病であることを皆さんはご存知でしょうか?
今回は虫歯と並び、お口の中の2大疾患である、歯周病についてお話していきますね。

驚くことに、歯周病は2001年にギネス記録に登録されていまして、ギネスブックには次の通りに記載されています。“歯周病は人類史上、最も感染者数の多い感染症である。” “全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数える程しかいない。”
その後20年経ちますが、世界一を破られる事なく現在に至ります。
日本でも、厚生労働省が平成23年に行いました歯科疾患実態調査で、成人の約8割以上で、歯周病の症状があったという報告があるそうです。

さて、最も多くの人が罹っている歯周病とは、どんな病気なのでしょうか?
その字の通り、歯周組織と言われる歯を支えている歯肉や歯槽骨(しそうこつ・顎の骨)の病気で、プラーク(歯垢)という細菌の塊が原因でこの歯周組織が細菌感染を起こしてしまいます。
感染が起きると、歯肉が炎症を起こし、腫れてきます。その後、炎症が進むと、歯槽骨が壊されていきます。
歯は、この歯槽骨に支えられていますので、歯槽骨が壊されていくと歯がグラグラと揺れてきて、最終的には抜歯するしか治療ができなくなってしまいます。

ではこの歯周病を防ぐにはどの様にしたら良いのでしょうか?
先ほどお伝えしたように、歯の表面につくプラークが大きな原因となります。このプラークは歯磨きで落とす事ができますので、丁寧な歯磨きでプラークを落とし、綺麗なお口の中を保つことが一番の予防になります。歯ブラシやワンタフトブラシ(一本磨き用歯ブラシ)など目的別に歯ブラシを使い分け、歯と歯の間にはデンタルフロスや歯間ブラシを使用すると効果的です。

歯周病は軽度の段階では、自覚症状がほとんどありません。ご自身で痛みや歯の揺れなどを感じた時には、重度の歯周病にまで進んでいる事も多くあります。軽度のうちに、早く治療を受ける事で歯の寿命が長くなる可能性が上がります。
歯科医院の定期検診では、歯周病の検査を受ける事ができます。歯周病の検査は、歯周病の進行具合や、どの歯の周りに炎症が起きているのかが、わかる大切な検査です。歯肉を触られる感覚は苦手な方も多いと思いますが、悪い所が無いか定期的に検査を受けて下さいね。

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歯科衛生士 児嶋

コロナ禍でのホームケア その⑤ 歯と歯の間のお掃除について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
皆さんは、歯と歯の間から虫歯や、歯肉の腫れが進んでいると、言われた事はありませんか?
今回は虫歯や歯周病になりやすい、歯間部(歯と歯の間)をお掃除する道具である、デンタルフロスと歯間ブラシについてお話させていただきます。

歯ブラシだけの歯磨きでは、歯間部に汚れが残りやすく、60%程のプラーク(歯垢)しか除去ができないといわれています。つまり、歯ブラシのみの歯磨きですと、丁寧に時間をかけて磨いていても、歯間部には40%のプラークは残っているのです。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用する事によって、80〜90%までプラーク除去をする事ができます。

「デンタルフロスと歯間ブラシのどちらを使用するのか?」、これはよく頂くご質問です。基本的には、歯間部の隙間が小さい方や前歯に対しては、デンタルフロスを使用し、歯間部の隙間がある方(間の根元に食べ物がつまる方)に対してはデンタルフロスと歯間ブラシの併用をお勧めいたします。
また、ブリッジ(橋渡しの被せ物)にはデンタルフロスが入りませんので、歯間ブラシの使用は必須となります。

それぞれの使い方を説明していきます。
・デンタルフロス
繊維の束が連なっている糸状の物です。繊維が細かく、数が多い物を選びましょう。
歯間部の上からノコギリの様に動かし、歯と歯の接触点を通過させます。
その後、手前の歯の根元にフロスを沿わせて上下に2、3回フロスを動かし、プラークをフロスに絡めて取ります。その後、奥側の歯にも同様に歯の根元の面を磨きましょう。少し歯肉の中にフロスを入れるのがポイントです。プラークが取れたら、再度、ノコギリの様に動かしながら、歯間部からフロスを取り出します。

・歯間ブラシ
ナイロン毛のブラシを選びましょう。
一般的なL字型の歯間ブラシの場合、執筆状(ペン持ち)に持ち、歯と歯の間に真横からブラシを入れ、ブラシの方向に優しく数回動かして使いましょう。歯肉を傷つけない様に少しだけ角度を斜め上(歯の噛む面の方向)に向かって入れるのがポイントです。歯の隙間に合わせてブラシ太さのサイズを選ぶのが大切ですが、入れる時にスッと入り、動かした時にきつくないサイズを選びましょう。

デンタルフロスも歯間ブラシも様々なタイプがありますので、迷われた際には是非ご相談下さい。

さて、5回に渡ってご紹介しました”コロナ禍でのホームケア”は、今回が最終回となります。
生活習慣がガラっと変わり、お口の中が不安定になっている方も多くいらっしゃいます。毎日のご自身のケアで、お口の中を守ってあげて下さい。また、来院頂ける様でしたら、3〜6ヶ月に一度は定期検診にいらっしゃって下さいね。

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歯科衛生士 児嶋

コロナ禍でのホームケア その④ 洗口液について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
前回は舌のお掃除についてお話させていただきました。今回は更に口腔内の環境を整えるべく、洗口液の活用についてお話させて頂きます。

まず洗口液の効果・効能についてですが、化粧品に分類される物は、お口の中を浄化し口臭を予防します。
医薬部外品に分類されるものには、上記の効果・効能に加えて、虫歯の予防、歯肉炎の予防、歯石沈着の予防などの効果・効能があります。(各薬用成分により異なります。)
使用する場合には、お悩み別に医薬部外品の中から選んでいただきたいのですが、主な目的は、口腔内を殺菌するために使用する、という事です。

いつもお話している様に、虫歯歯周病は細菌感染症です。お口の中には沢山の細菌がいますが、その中に虫歯・歯周病菌も常在しています。虫歯や歯周病が再発症するのは、その為です。

しかしお口の中の8割の菌は、日和見菌といわれる良くも悪くも働かない菌なので、常に悪さをしている訳ではありませんが、日和見菌は悪い菌の勢力が強くなると、味方をしてしまうので、細菌バランスが乱れ、歯科疾患に罹りやすくなります。これはマイクロバイアル・シフト(悪い口腔内細菌が力を増し、病原性が高くなる事)と呼ばれ、今、予防歯科ではマイクロバイアル・シフトを起させないという事が大切だといわれています。

ブラッシングは上手くできているのに、虫歯や歯周病になりやすい、進行しやすいという方は、洗口液を活用してみて下さいね。

虫歯になりやすい方へのオススメ
・ウェルテック コンクールF (25〜50mlのお水に5〜10滴垂らし、ブクブクうがい)
・ライオン チェックアップ フッ化ナトリウム洗口液0.1% (付属のキャップで10ml計量し、30秒ブクブクうがい)

夜の歯磨き後にコンクールFを使用し、その後チェックアップを使用して下さい。
(効果が気になる方は、コンクールFの使用後1時間ほど空けて、チェックアップを使用して下さい。)

歯周病や口臭が気になる方へのオススメ
・ウェルテック コンクールF
虫歯になりやすい方同様、夜の歯磨き後にコンクールFを使用して下さい。

どちらの洗口液も飲み込まずに、必ず吐き出して下さい。
コンクールFは、必ず希釈して使用する事、またグルコン酸クロルヘキシジンアレルギーの方はご使用をお控え下さい。

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歯科衛生士 児嶋

コロナ禍でのホームケア その③ 舌のお掃除について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
前回は、ブラッシングについてお話しさせていただきました。
ブラッシングは口腔ケアのメインですので、とても重要ですが、虫歯菌や歯周病菌は、歯だけでなく舌や粘膜にも潜んでいるのを皆さんはご存知でしょうか?

特に舌苔(舌の汚れ)は、お口の中の清潔度を表すと言われており、古くなった粘膜や食べ物のカスなどの汚れが付着してできたもので、細菌の温床になっています。
歯だけでなくお口の中全体を綺麗に保つ事が、お口の中や全身の健康のために重要なのです。そこで今回は舌の汚れの舌苔のお掃除についてお話ししていきますね。

まずタイミングですが、夜、就寝間に細菌は増えるので、朝、起床後のブラッシングの後に行うのがお勧めです。専用のクリーナーを使用するか、ガーゼを指に巻いて行います。

舌をベーっと思い切り前に出して、舌の奥から手前に動かして汚れを取っていきます。
舌を前に出す事で、清掃時の嘔吐反射(お口の奥を触ると、気持ち悪くなる、吐きそうになる事)を防ぐ事ができます。
注意点は、舌はとてもデリケートなので、力を入れない事、何度もこすらない事です。
1日1回を目安に、鏡を見ながら優しく行いましょう。

当院では歯ブラシと同じ、Tepe社から出ているタングクリーナー(舌クリーナー)を取り扱っています。

こちらの特徴は、
・色のついたヘラになっていて、白い舌苔が目視しやすい。
・ヘラが大きく、3列のクリーニング面があり、一回のストロークで充分な効果“トリプルエフェクト”が得られる。
・両面を使える様になっていて、しっかり取りたい時は丸く出ている面、優しく取りたい時には平面と、使い分けができる。
・ブラシタイプと比べて、綺麗に洗い流せるので清潔に保て、無くさない限り一生使える。お手入れには、食器洗い洗剤も使用できます。

・地球に優しい再生可能なサトウキビ由来のバイオプラスティック素材で、CO2の排出を95%リサイクルさせる事が可能で、地球温暖化の主な原因と言われている、温室効果ガス排出への影響がほとんど無い、環境に優しいサスティナブルなクリーナーです。

実際に私も使用してみて、作りがしっかりしているので、動かす時の安定の良さを感じますし、使用感も良く、Tepe社の製品は本当に優秀だなと感じました。

歯ブラシ立てに並べていますが、目立つので朝寝ぼけていても、使うのを忘れないのも良い点です。
患者さんにご紹介すると、「他のクリーナーを持っているが、こちらの方が良さそう!使いたいです。」という方も何名かいらっしゃいました。
お色はグリーンとピンクの2色からお選びいただけます。お値段は1本¥700(税込)で販売していますので、一生使えるかと思うとお値打ち品ですね。

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歯科衛生士 児嶋

 コロナ禍でのホームケア その② ブラッシングのコツ

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
前回は歯ブラシの選び方についてお話しましたので、今回は実際のブラッシングについてお話していきますね。

まずは、歯肉が健康な方のブラッシング法です。
(ブラッシング時に出血が無い、定期検診時の歯周病検査で出血が無い方)
・スクラビング法 
歯の表側(頬側)は、歯ブラシを歯に対し、直角に当て、細かく左右に動かします。
歯の根元を磨く際には、歯ブラシのヘッドを歯肉よりに傾けて毛先を当てます。また、歯の内側(舌側)を磨く際には、ヘッドを根元方向に45°傾けて毛先を当てましょう。
歯ブラシはペンを持つ様に持ち(ペングリップ)、大きく動かしたり、脇が開いたりしない様に、注意しましょう。

次に、歯肉に炎症のある方のブラッシング法です。
(ブラッシング時や歯周病検査時に出血がある、歯肉がブヨブヨしている方)
・バス法 
歯ブラシを根元方向に45°傾け、歯と歯肉の境に当て、細かく左右に動かします。
歯ブラシはスクラビング法と同様にペングリップで持ち、毛先を歯肉に押し付けない様に注意して磨きましょう。

ブラッシング法は他にも複数ありますが、今回は簡単にすぐ実践できる方法をご紹介しました。ご自身のお口の中や歯の並びによって部分的に磨き方を変えたり、いくつかのブラッシング法を取り入れたりする必要があります。ご興味のある方は、定期検診時にアドバイスさせていただきますので、是非お申し付け下さい。

ブラッシングをする際、とても大切なことは、歯を磨く順番を決めることです。
意識せず磨いていると、苦手な部分にはいつも歯ブラシが当たらず、汚れが溜まりがちです。順番を決めて磨いて頂き、ブラッシング後に、舌で歯の表面を触ってツルツルになっていることを確認することにより、磨き残しを減らすことができます。
歯の表面がザラザラしていると汚れが落ちていない可能性が高いので、追加でブラッシングをして下さい。また、歯と歯の間のプラークが残りますので、デンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。

次回は、虫歯菌や歯周病菌の温床となる、舌の汚れを取る方法についてお話していきますね。

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コロナ禍でのホームケア その① 歯ブラシの選び方について

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
コロナ禍の現在、皆さま、どの様にお過ごしでしょうか?
当院には遠方から通院される方も多く、定期検診をなかなか受診できず、いつもより間隔が空いてしまい心配、という患者さんのお声も届いています。

いつもお伝えしているように、お口の中の健康は、全身の健康を保つためにはとても重要です。毎日のホームケアを徹底し、定期検診の間隔が延びてしまっても、悪化する事の無いよう、今回より数回にわたってホームケア時に気をつける点をお話していきますね。

初回は、歯ブラシのお話です。
まずは、歯ブラシの選び方です。自分にはどんな物が合っているのか?これは本当にその方のお口の中によって変わってきますので、やはり診察の際にアドバイスさせていただきたいです。
ただ、共通して言えることは、歯ブラシの毛先の処理が良い物や、ヘッドの先が細くなっている物を選んでいただきたいということです。

歯と歯の間や、歯の根元に残るプラーク(歯垢)は、虫歯や歯周病の原因になります。この細かい部分のプラークを除去することがとても大切なのですが、毛先の処理が甘い歯ブラシで磨くと、歯肉退縮(歯肉が下がってしまう)や歯肉の傷、歯の根元が削れてしまうというトラブルの原因となります。
歯肉退縮や歯の根元が削れると、露出した歯の表面から虫歯になったり、歯が割れたりする事もあるのです。ヘッドの先が小さい物は、一番奥の歯を磨く時に毛先が当たりやすいのでお勧めです。

当院では予防歯科の先進国であるスゥエーデンのTepe(テペ)社というブランドの歯ブラシをお勧めしています。今まで使った事が無いという方にご紹介すると「もう他の歯ブラシは使えない!」と仰る方も多く、実際に私も使用していて、毛質の良さを実感しています。

次に歯ブラシの交換時期ですが、よく言われているのが、歯ブラシを裏側から見て、歯ブラシの柄から外側に毛先が拡がっていたら交換をしましょうという目安です。
実はこれはちょっと危険でして、ブラッシングが上手な方は、数ヶ月使用しても毛先が開かないのです。しかし、顕微鏡で見てみると、毛先は摩耗し、清掃効果がかなり低くなっているそうです。
せっかく丁寧にブラッシングをしても、プラークを除去できなければ意味がありません。また衛生面からも、毛先が開いていなくても1ヶ月に一度は歯ブラシを交換することをお勧めします。

歯ブラシは消耗品ですので、ヘッドの大きさ等は色々使いくらべて、お気に入りの一本を見つけてみて下さいね。

次回はブラッシングのコツについてお話させて頂きます。

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牛乳パワーで虫歯予防

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
先日、友人と連絡を取っていたときの事です。
友人から「牛乳はカルシウムだから、歯磨きした後に飲んで寝れば、歯の強化になるよね?」
と聞かれたのです。
私は考えた事も無い意外な考え方に驚き「えええ?それは危険!」と慌てて答えました。どうしてだか皆さんはお分かりでしょうか?

牛乳には乳糖という糖質が含まれています。乳糖は砂糖ほどではありませんが、虫歯菌によって歯を溶かす酸が作られます。更に就寝時には、唾液の分泌量が減りますので、プラークを洗い流してくれる唾液の自浄作用も弱まり、細菌が増殖し、虫歯になりやすい環境となるのです。
そのため、歯磨き後に牛乳を飲みそのまま寝てしまうと、虫歯の予防どころか、虫歯ができるリスクがかなり上がってしまうのです。恐ろしいですね。

しかし、その一方で牛乳は歯を強くし、虫歯予防に役立つのも事実です。
牛乳にはカゼインといわれる成分があり、酸性に傾いていた口腔内のPH(酸性・中性・アルカリ性の液性)を正常値まで戻す作用があります。また、歯のエナメル質が、リンやカルシウムを取り込みやすくし、歯の再石灰化を促進して、再石灰化した部分の酸に対する抵抗力を高めてくれるのです。さらには、歯の表面に吸着して保護する役割や、虫歯菌の付着を抑制するという報告もあるそうです。

特に甘い物を食べた後に牛乳を飲むと、お口の中を中和してくれますので、急激に酸性になるのを防ぎ、歯が酸から受けるダメージを減らす事ができます。
カゼインの虫歯予防効果を高めるために、人工的に作り出した物質が、CPP–ACP(カゼインホスホペプチド–非結晶リン酸カルシウム複合体)です。「リカルデント」という商品名を皆さんもご存知では無いでしょうか?
当院でもCPP-ACPの含まれた、「MIペースト」という製品を取り扱っております。
歯磨き粉の様なクリームペースト状で、イチゴやミント等のフレーバーで香りも良いため、使いやすいペーストです。

効果的な使用方法は次の通りです。
歯磨きの後に歯ブラシを使い、歯の表面にMIペーストを塗布します。そのまま3分程度浸透させた後に、お口をお水でゆすいで下さい。
簡単に、しかも美味しい香りで、歯を守れるのは嬉しいですね!是非お試しになって下さい。

なお、MIペーストは、牛乳成分由来のため、牛乳アレルギーの方はご使用をお控え下さい。

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マスクの下で硬くなっていませんか?

こんにちは、歯科衛生士の児嶋です。
先日、テレビを見ていた時の事です。モノマネ芸人のコロッケさんが画面にアップになり、私の目は釘付けになりました。
口角の位置がかなり上の方まで上がっていて、三日月の様な口をしているのです。
とても面白く、大爆笑をすると同時に、よく鍛えられた口周りの筋肉に驚きました。

顔には表情筋という皮膚を動かしている筋肉があります。表情筋は顔面筋とも呼ばれ、口や目や鼻や耳を動かして匂いや音の方向を知る役割や、喜怒哀楽の表情を作り出します。
お口の周り、特に口角部には多くの表情筋があり、口唇を作り動かす口輪筋、上唇を持ち上げる上唇鼻翼挙筋や上唇挙筋、口角を上げる筋肉の小頬骨筋や大頬骨筋、頬を作る頬筋などがあります。

他の一般的な筋肉は、骨と骨とを結んで関節を動かしていますが、表情筋は、骨と皮膚とを結び、皮膚を支えていますので、この表情筋が衰えると、表情が硬くなったり、皮膚のたるみやシワの原因となったりとするのです。
筋肉ですので、トレーニングで鍛える事ができます。私がお勧めしているのは、食事の際によく噛む事です。

食事中は、お口周りの筋肉が複雑に動き、様々な筋肉が鍛えられます。また、筋肉とは直接関係はありませんが、唾液の分泌も良くなるので虫歯や歯周病予防に繋がったり、食べ物が消化しやすくなる事で、胃腸での消化吸収が促進され、消化器官の負担が軽くなり身体にも良い影響を与えたりします。
意識するだけで簡単にできますので、お食事の際は一口30回を目安に噛んで下さいね。

外出にはマスクが必須となり、会話をする際も小声でと、新しい生活様式に少しずつ慣れてきましたが、顔の筋肉が硬くなっていませんか?

口角が上がった表情は、周りの人に魅力的な印象を与えます。また、笑顔で過ごす事で自分自身もポジティブになり、精神的にも安定しやすくなると言われています。
大変な時期ですが、心穏やかに保ち、心身共に健康に過ごしていきましょう。

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