「こちらにたどり着くまで5軒かかりました。」

先日、初診で歯根破折保存治療のご相談にいらした患者さんが、開口一番、「こちらで5軒目なんですが・・・」と仰いました。
この方は結局、歯根破折治療ではなく、根管治療から始めてみることになり、ご自身で専門医を探すとのことでした。
患者さんの「5軒目」という言葉を耳にした受付が会計時、「あちこち歯科医院さんに行かれているようで大変ですね。」とお声をかけたところ、「歯は命ですから。」ときっぱり話されていたそうです。

これも受付情報なのですが、以前、同じ歯根破折保存治療を受けてセラミックの被せ物までなさった患者さんが、治療終了時に特に受付が尋ねたわけではないそうですが、「こちらにたどり着くまで5軒かかりました。」と仰った方がおられたそうです。
歯のために歯科医院を5軒回られて当院にいらした方が、少なくとも2人おられることを知り、歯の大切さをわかって下さる方が確実に増えていることを改めて実感させられた次第です。

私が歯根破折保存治療を手掛けるようになってから、早いもので8年近くが経過しました。
症例数も700例を超え、今ではこの治療に関連する患者さんを診ない日は無いというほどになりました。この治療を手掛けるようになって良かったこと、それは他院で抜歯といわれた歯を残すことができ、それが歯科医療の基本中の基本である「歯を保存すること」と一致していることです。

歯科大学を卒業した当時、私自身が最も興味のあったインプラント義歯、ブリッジを専門とする歯科補綴(ほてつ)学講座に大学院生として入局し、「失われた歯を取り戻すこと」から始まった歯科医師人生ですが、35年を超えて、歯科医師としての原点に立ち戻ったようで感慨深いものがあります。

本治療法をご教示頂いた故眞坂信夫先生の御遺志を継ぎ、本治療を行っている先生方と現在も月1度のオンライン勉強会を継続して行っています。

歯を大切にされている患者さん方のお力になれることは歯科医師として大変有難いことであり、自分なりに勉強・工夫を重ね、助けられる歯を増やすことができるよう、微力ながら技術の向上に努めて参ります。

吉田デンタルクリニック
院長 吉田 浩一

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